国内

未知の活断層ある危険地帯 世田谷、春日部、越谷の名挙がる

 兵庫県淡路島をはじめ、各地で大型の地震が相次いでいる。現在、地震を繰り返し引き起こすとされる活断層の研究は進んでいるものの、再び活動する可能性も含めて判定が難しくなっているという。

 活断層はヘリコプターなどを使って上空から地表の歪みなどを調べ、疑わしいものは掘削調査が行なわれることになる。

 だが、開発の進んだ都市部では活断層の痕跡を見つけることは極めて困難だ。中規模以下の活断層では活動の痕跡がまったく現われていない場合も珍しくない。京都大学の岡田篤正名誉教授(変動地形学)の話。

「今回の淡路島の地震の直後に、空中から震源付近を確認しましたが、活断層自体は見つけることができなかった。今回のようなM6クラスでは、動いた断層の痕跡が地表に現われない場合もある」

 さらにM7クラスの活断層でも、まだ確認されていないものが潜在している可能性は高い。

「東伊豆の海岸に、約800年ごとに1~2メートル隆起した跡があることが、昨年秋の日本地震学会で報告された。地震によるものならM7クラスと考えられるが、該当する活断層はまだ見つかっていない」(地震学会関係者)

 我々のすぐ足元で、巨大地震を引き起こす活断層が身を潜めているかもしれないのである。では、未知の活断層が隠れている可能性が高い“危険地帯”はどこなのか。地理学が専門の立命館大学・高橋学教授は、関東平野は要注意だと指摘する。

「気候が温暖だった6000~7000年前まで、東京都心部を含めた広い範囲は海底だった。そのためそれ以前からある活断層の上に泥が堆積している可能性が高い。さらに富士山や箱根山、浅間山など周辺の火山の噴火によって火山灰が降り積もっているので、比較的新しい活断層も見えづらくなっている」

 関東平野を形成する関東ローム層は、降り積もった火山灰が固まってできた地層で、その下層は海底にあった泥だ。それゆえに地盤が弱く、ひとたび未知の活断層が動けば、甚大な被害を及ぼす危険性があるという。さらに高橋教授が続ける。

「例えば、これまで地震とは無縁のイメージがある世田谷の地下にもまだ見つかっていない活断層がある可能性が高いと私は見ています。また、埼玉県東部の春日部や越谷などの地域も、6000年前までは海で、地層の下に活断層が埋もれていると考えられます」

 いずれも住宅密集地だけに心配だが、活断層自体が発見されていないため、被害想定などもされていないのが現状だ。

※週刊ポスト2013年5月3・10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン