ライフ

葬儀の布施 住職の「お気持ちで」受け3万円包み呆れられる

「小さな葬儀」が増えているが、誤解やトラブルなどの落とし穴が潜んでいることも多い。

 急病で夫を亡くしたAさんは、田舎に夫の菩提寺があり、代々の家の墓があることは知っていた。ただ、夫は一人っ子で、両親もすでに他界しており、遠方の寺の連絡先がすぐにわからなかった。「もし死んでも派手な葬式を出さないでくれ」と生前、夫がいっていたことを思い出し、葬儀社にいわれるまま、ごく近しい者だけで家族葬をあげた。葬儀社に紹介された僧侶に戒名もつけてもらった。
 
 ところが、四十九日が過ぎ、納骨しようと遺骨を菩提寺に持っていったところ、住職から「戒名はうちの寺でつけるものだ。つけ直してお布施を納めてくれないと納骨はさせない」といわれた。
 
 Aさんは納得がいかなかったが、戒名を授け直してもらい、お布施も再度納めて、ようやく納骨した。
 
「菩提寺のお墓に埋葬するのであれば、葬式を行なうに当たって戒名を授けたり、読経したりするのは、本来、菩提寺の住職の役目です。Aさんのように菩提寺に連絡も入れず、ほかで葬儀を行なってしまうと、菩提寺としての役割を果たしていませんし、お布施も得られない。そのため、後からこうしたトラブルが頻繁に起こるわけです。
 
 普通は、葬儀社から『菩提寺はおありですか』と聞かれるはずです。ただし、良心的でない葬儀社の場合、紹介料ほしさに懇意にしている寺や僧侶を紹介することがあります。まずは菩提寺に連絡を入れ、葬儀の日程から相談することが大事です」(「日本エンディングサポート協会」理事長の佐々木悦子氏)
 
 また、菩提寺とトラブルになりやすいのが、戒名や読経への布施の額だ。住職の「お布施はお気持ちで」という言葉を真に受けて3万円を包んだら、後で住職から「何かの間違いでしょう」といわれ、追加で30万円を支払ったなどという例は多い。
 
「お布施の相場も含め、菩提寺については親戚の中で長老的な立場の人にまず聞いてみること。身寄りがなければ地域の世話人的な立場の人でもいいでしょう」(同前)

※週刊ポスト2013年5月17日号

関連キーワード

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン