木瀬親方の処分が発表された(写真、時事通信フォト)
1月11日に大相撲初場所が初日を迎えるが、場所後には日本相撲協会の2年に一度の理事選挙がある。そうしたなか、新理事候補に影響するとみられる暴力問題が発覚した。12月25日、日本相撲協会は臨時理事会を開き、木瀬部屋で力士による他の力士への暴力行為があったとして、師匠の木瀬親方(元前頭・肥後ノ海)を「監督義務違反」と「協会への報告義務違反」で委員から年寄への2階級降格処分が科された。
協会の発表によれば、事件が起きたのは九州場所前の11月7日。木瀬部屋の力士が宿舎で財布から現金を盗んだ同部屋の別の力士に激怒し、顔面を少なくとも5~6発殴ったという。ともに幕下以下の力士で、殴られた力士は病院には行かなかったものの顔にあざができるケガを負い、九州場所を休場していた。
コンプライアンス委員会が調査したところ、殴った力士は過去にも同力士に暴力を振るったという目撃証言が出てきたことで、常習性があったと認定されて出場停止2場所の処分となったが、手を出した力士は引退届を提出して臨時理事会で受理されている。若手親方が言う。
「木瀬親方は部屋内の内輪もめと判断し、協会には報告しなかった。事件の3日後に匿名で協会にタレコミがあった。この情報をもとにコンプライアンス委員会が事実関係を調査したところ、部屋内での暴力事件が発覚したわけです。
木瀬親方は2010年に暴力団へチケットを横流ししたとして部屋を閉鎖された過去がある。出羽海一門の統帥で当時の理事長だった北の湖親方が尽力して2年後に部屋を再興できたが、その際に誓約書も書かされたようだ。2022年にも部屋の英乃海と紫雷が違法賭博関与で処分を受けたが、師匠の判断で自主的に休場させるなどしたことで、この時の木瀬親方は厳重注意だけで終わった。
しかし、今回はタイミングが悪かった。2010年の懲戒処分歴があることも加味されて2階級降格の処分になったといわれているが、次の理事選の候補者潰しのタレコミとも考えられます」
