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女性の66%が結婚相手の年収600万円以上希望も該当者少ない

 給料が安く、食費にも困っている“貧困女子”が増えている。中には男性に奢ってもらうことで食費を浮かせている女子も。

 増え続ける貧困女子に“脱出”の機会はあるのだろうか。不登校やニートなど若者の社会問題に詳しい作家の巨椋修氏はこう語る。

「特にコミュニケーションの苦手な女性は、貧困が慢性化するとオシャレをして男性と出かけることすら億劫になり、家に引きこもるケースが見られます。そうなると、タカることすらできない」

 そんな貧困女子への処方箋として、巨椋氏は「自分の好きな分野の集まりや参加費の安いカルチャースクールに顔を出し、コミュニケーション能力を磨くとともに、多くの男性と出会うこと」を提案する。そしてできれば結婚することが望ましいという。ただし、「玉の輿」狙いではない。

「未婚女性の約66%が結婚相手の理想の年収を600万円以上と答えている調査結果があります。また、『ギリギリ結婚できる年収』も400万円以上としている人が約64%。しかし、適齢期の未婚女性約387万人に対して、年収400万円以上の未婚男性は158万人強しかいません。ましてや年収600万円の適齢期の男性はほとんどいない。高望みしていては結婚できない現実があります。

 私は発想を変えて、“貧婚のススメ”をしています。年収200万円同士のカップルが結婚すれば世帯年収は400万円になり、家賃や水光熱費その他の出費も2人で出し合うから割安になります。豊かとは言えないかもしれないが、決して貧しくはない。そして何より結婚は物質以上に精神的な安定をもたらしてくれます」(巨椋氏)

 前出の阿部氏は「結婚しても仕事だけは絶対に辞めるべきではない」と強く訴える。

「結婚後も自分の稼いだお金で暮らしていくことを目指しましょう。離婚するかもしれないし、その後は生涯独身かもしれない。そうなると女性は貧困に陥りやすいのです。だからこそ『絶対に仕事を辞めるな』と言いたい。特に正社員の女性は、子供が生まれても仕事を辞めず、何とか踏ん張ってキャリアアップを続けていただきたいと思います」(阿部氏)

 富める時も貧しき時も……とは言うが、まさに「貧しさを分かち合う」ことが、貧困女子を卒業して幸せを掴む近道なのかもしれない。

※SAPIO2013年5月号

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