ビジネス

【ドル円週間見通し】18~19日の米FOMCの出口戦略を見極め

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、6月17日~6月21日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、18~19日の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入プログラムの縮小が協議されるか否か、そして、バーナンキFRB議長が出口戦略に言及するか否かを見極める展開となる。6月末決算のヘッジファンドによる安倍トレード(日本株買い・円売り)ポジションの手仕舞いが続いており、4月4日の相場水準(ドル・円95円、日経平均株価12634.54円)を下回る水準でも、日本株売り・円買いが続くのか否かを見極める展開となる。

 ドル高・円安材料は、連邦公開市場委員会(FOMC)で出口戦略が検討された場合、米国10年債利回りの上昇、東京株式市場の下げ止まり。ドル安・円高材料は、連邦公開市場委員会(FOMC)で出口戦略が先送りされた場合、日本国債10年物利回りの上昇、東京株式市場の続落。

【連邦公開市場委員会(FOMC)】(18~19日)
 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のFRBウォッチャーでバーナンキFRB議長のスポークスマンと目されるヒルゼンラス氏は、米国連邦準備理事会(FRB)高官の発言として、FRBが債券購入プログラムを縮小し始める際に過剰反応しないように投資家を納得させようと努力してきた。購入プログラムの調整が債券購入を一気に終了するという意味ではない。もっと重要なのは、FRBが短期金利の引き上げに近づいているのを意味するのではない。と述べている。

 バーナンキFRB議長の今後の予定は、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)の後に会見を行い、7月は17~18日に議会証言を行い、30~31日のFOMCの後は会見がなく、8月はFOMCは開催されず、ジャクソンホール・シンポジウムへの参加を見送っている。

 米国連邦準備理事会(FRB)の出口戦略の判断材料となる米国雇用統計は、7月、8月、9月の第一金曜日に発表される。もし、7月に発表される米国雇用統計が大幅に改善していた場合、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入プログラムの縮小が決定される可能性が高まるが、バーナンキFRB議長は金融政策の重大な決定を説明することはできない。

 6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入プログラム縮小が決定されなくても、バーナンキFRB議長が出口戦略への工程表を説明する可能性が高いことで、要警戒となる。

【G-8サミット】(17~18日)
 ドイツ政府筋は、「G-8サミットでは、日本の経済政策を他国と比較する見通し。保護主義に反対するシグナルを送ることを望む」と述べている。G-8サミットでは、アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)による円安に対する懸念が共有される可能性を警戒する展開となる。

【年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の外貨建て資産への投資】
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、運用資産の基本ポートフォリオ比率を変更し、外貨建て資産への投資はが約6.7兆円の増額となることで、ドル買い・円売り要因となる。

【安倍トレード(日本株買い・円売り)の調整目処】
 日経平均株価の半値押し水準は12085円、ドル・円の半値押し水準は、90円43銭、38.2%押しは93円57銭となっている。

 6月17日~21日に発表される主要経済指標のポイントは次の通り。

○(米)5月消費者物価指数- 18日(火)日本時間午後9時30分発表
・予想は、全体の指数は前年比+1.4%、コア指数は同比+1.7%
 5月ガソリン価格は前月比+1%程度(季調済み)で、CPI全体には4月からの押し上げ要因となるため、全体の指数は前月比ベースでやや上昇か。コアの部分では、先行指標となる生産者物価指数(PPI)が前月比・前年比とも上昇となる見通しであり、コンセンサスは妥当。

○(米)5月住宅着工件数・建設許可件数 -- 18日(火)日本時間午後11時発表
・予想は、住宅着工件数は95万戸、建設許可件数は97.8万戸
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は、5月44と4月41から上昇しており、許可件数にはプラス要因となりうる。住宅着工件数は、先行指標となる4月の住宅建設許可件数が101.7万戸で3月の89万戸を大幅に上回っており、プラス要因となる。コンセンサスは妥当か。

○(日)5月貿易収支 -- 19日(水)午前8時50分発表
・予想は、-1兆2028億円
 既公表の5月上中旬の貿易収支は1兆円を超える赤字となっていた。輸出入額はいずれも増加していたが、輸入額の増加によって貿易赤字幅は拡大した。輸入額の増加が予想されることから、貿易赤字額は4月実績を大幅に上回る見込み。

○(米)5月中古住宅販売件数 -- 20日(木)日本時間午後11時発表
・予想は、500万戸
 先行指標となる4月中古住宅販売成約指数は、前月比+0.3%。3月、4月の成約指数はプラス。4月の実績は予想をやや下回ったが、3月、4月の実績を考慮すると、販売件数は4月実績をわずかに上回る可能性がある。

 主な予定は、17日(月):(米)6月NY連銀製造業景気指数、20日(木):(米)5月景気先行指標総合指数

【予想レンジ】
・ドル・円93円00銭~98円00銭

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン