国内

「アベノミクス加速で生じるのは超格差社会」と森永卓郎氏指摘

 自民党の大勝で、安倍晋三首相が進めるアベノミクスがさらに加速する。そこで気になるのが、家計に直結する消費増税や金利の上昇についてだ。経済アナリストの森永卓郎さんは、消費税は「上がる」と分析する。

「安倍さんは選挙中に消費増税の明言を避けてましたが、8%、10%と順次、予定通りに上げていくでしょう」

 大和総研の試算によると、消費税が10%になると、年収500万円の世帯で年間16万7000円の負担増になる。

 一方で、自民党は参院選の公約に、設備投資の税金を安くする投資減税や法人税の引き下げを盛り込んだ。森永さんは、税制改革の目的をこう推測する。

「法人減税で大企業の社員の給料は上がり、ますますお金持ちになります。一方で、消費増税により、低所得者は厳しい経済状況に追い込まれます。安倍政権の改革の結果、生じるのは、“超格差社会”なんです」(森永さん)

 安倍首相は、物価も給料も下がり続けるデフレ脱却のために、物価上昇の数値目標を2年間で2%と定めている。そのために大胆な金融緩和政策をとり、市場に大量に円を投入。その結果、円の価値が下がり、円安となっている。森永さんは、円安はさらに進むと見ている。

「2年後までに120円くらいになって、デフレを脱却し、物価上昇2%を実現しているでしょう。ただ、そのころにはすでに消費税も8%になっています。消費税を3%引き上げた場合、物価が2%上昇するといわれています。つまり、2年後の物価は計4%も上がることになるんです」(森永さん)

 その一方で、私たちの給料は上がるどころか下がっているのが実情だ。今年5月の毎月勤労統計調査によると、基本給などの所定内給与の総額は24万1691円。12か月連続で減少傾向にある。

「今後、少しは賃金も上がるでしょうけど、4%も上がることはありえません」(森永さん)

※女性セブン2013年8月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン