スポーツ

酒豪・金村義明氏 「節制してたら選手寿命伸び、成績残せた」

 昨年、残念ながら休刊してしまった野球雑誌『野球小僧』(白夜書房)の名物企画「俺に訊くな!」。一芸に秀でたプロ野球選手に、得意分野とは真逆の質問を投げ掛けるその企画は、的外れのようでいて、一流は一流を知る、ということがよくわかる野球記事だった。リスペクトを込めてこの企画を復活させて頂き、元近鉄バファローズの金村義明氏(49)に「コンディションの整え方」を聞いた。

 鳴り物入りで近鉄に入団し、“いてまえ打線”の中軸として活躍した金村氏。酒豪としても有名で、試合前日でも豪快に飲むその私生活から、「いてまえ大将」のニックネームをつけられたほど。そんな金村氏に試合前の「コンディションの整え方」を質問すると、間髪を入れずに、「そりゃあ、絶対に酒は飲まないほうがええわ」。

 自身は豪快に飲んだ翌日に、本塁打をかっ飛ばしたこともあったと聞くのだが。

「そりゃあ、朝まで飲んで、そのまま球場に行ったこともありますよ。シーズン中でも飲みに誘われたら断わらなかった。近鉄時代の仰木監督が豪快な酒を飲んでいたから、酒を禁止されることもなかったし。でも、ボクの経験から言えば、試合前というより、シーズン中は深酒しないほうがいい。

 翌日の試合はなんとか持ったりするし、間違って活躍することもあったけど、1週間後にはドのつくスランプが待っているんよ。1か月近く体調がボロボロということも経験しました」

 もっと節制していたら選手寿命は伸びていたし、成績も残せていたと悔恨する。たしかに甲子園優勝の逸材ながら通算打率.258、というのは不本意な成績なのだろう。しかし、昨季で引退した“アニキ”こと金本知憲氏(45)も豪快に飲むイメージを持ちながら連続試合フルイニング出場の世界記録を達成した。

「いやあ、実際にはあれほど節制している選手はおらんかった。僕や清原はイメージ通りに飲んでいたけどね(苦笑)。今の選手は僕らの頃よりはるかに給料もいいし、待遇もいい。1年でも長く現役を続けたいというので、節制していますよね。本拠地での試合が終わったらまっすぐ家に帰って、遠征先では宿舎のホテルから出てこない。僕らのように、“ホテルは荷物を置くところ”という感覚の選手は皆無やろうな」

 いまは「無茶苦茶反省している」と金村氏はため息をついた。『あぶさん』の時代はもう遠い過去か……。

※週刊ポスト2013年8月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン