国内

冷蔵庫に入りバイト先を閉店に追い込んだ学生 人生に悩み中

 最近相次ぐツイッターでの“悪ふざけ暴露”騒動のなかで、最も衝撃的だったのは、東京・足立区のステーキハウス『ブロンコビリー』での一件だろう。店側は、悪ふざけをした元アルバイト従業員に損害賠償請求を検討中。その額は、「最高で2000万円程度の請求が可能ではないか」(民事裁判に詳しい弁護士)という。

 問題のアルバイト従業員・Aくんはバイト中の8月5日22時53分、ツイッターで<バイトなう 残り10分>と、つぶやいた。そして、そこにはキッチンの大型冷凍庫に入りこみ、顔だけ外に出しているAくんの写真も添えられていた。

 今年8月はすでに悪ふざけ投稿が社会問題となっていたため、Aくんのツイッターはすぐに炎上し、プロフィール情報や過去のつぶやきからAくんの素性とバイト先がすぐに特定された。そして、Aくんの投稿した写真は、

<【拡散希望】!ブロンコビリーでバイトしている●●専門学校保育科の●●君がお店の冷蔵庫に入って遊んでるよ!!最近あれだけニュースで騒がれてるのに学習能力ゼロだね!!こんな奴に保育されたくないよね!!>

 という文面とともに、瞬く間にネット上に広まった。Aくんが投稿してからわずか1時間足らずの出来事だ。

 自分がその騒動の中心になっていることに気づいたAくんは、ここで致命的な失敗を重ねた。

<いちいち面白がってうぜーな。しらねぇーやつが面白がって拡散とかいってリツイートしてんじゃねーよ。しらねぇーやつなのにいちいちだりーんだよ>

 これが一層、拡散と炎上を加速させる。翌6日の早朝には、ネットを飛び越えて、実際のバイト先の本社に苦情が殺到した。

「お客様から『アルバイト店員が冷凍庫の中に入っている』という写真がネット上でアップされているというご指摘をいただきました」(ブロンコビリー・広報担当者)

 運営会社はAくんに事実確認をすると、すぐさま店舗の休業とAくんの解雇を発表。その日の全国紙の夕刊には、すでにこの記事が掲載された。同店は、冷凍庫の消毒作業をして、翌7日に再開する予定だったが、前出したAくんの火に油を注いだ発言によって、炎上の勢いは止まらず、店側に批判の声が相次いだ。

「会社としてどんな指導をしているのか」
「解雇だけでは生ぬるい。もっとAくんに厳しい処分をしろ」

 こういった声を受けて12日、同店の閉店が決まった。その結果、Aくん以外の同店のアルバイト22人も職を失うことになった。はたしてそこまでやる必要があったのか。閉店の理由を、前出の広報担当者がこう説明する。

「食の安心安全はごく基本的なことです。消毒をして営業を再開しても悪いイメージがずっと残ってしまいかねませんから、閉店すると判断した次第です」

 東海地方が本拠地のブロンコビリーにとって、この店は、関東での展開の足がかりとして期待されている店舗だったという。

 自分がクビになっただけではなく、店まで閉店に追い込み、さらに損害賠償請求まで検討されている。もちろん、ネット上では、自分の顔や実名、住所、学校名までさらされたままだ。炎上騒動以降、Aくんは、家に閉じこもるようになってしまったようだ。専門学校の同級生は言う。

「すれ違う人全員から“あの騒動を起こしたヤツだ”って見られてるみたいに感じてしまうようで、怖くて外を出歩けなくなったみたい。親しい友達とも距離を置いているようですし…。Aくんは学校側から呼び出されて事情を聞かれたんですが、そのとき泣いていたみたいです。同級生のなかには、彼が学校にいるのが迷惑だし、就職に響くんじゃないかって思っている人もいて…本人も、今後、どうしたらいいか悩んでいるという話です」

 入学してまだ4か月余りだが、退学を心配する同級生もいる。軽い気持ちでやった悪ふざけが、保育士になるという夢を諦めさせかねない事態を招いている。

※女性セブン2013年9月12日号

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト