ビジネス

金投資 為替の面では日本人が有利に買える状況続くと専門家

 金価格は2011年9月に最高値をつけたが、今年に入って大きく下落、1オンス=1200~1400ドルのボックス相場が続いている。山一証券を経て世界的な金の広報・調査機関ワールドゴールドカウンシルで企画調査部長として経済調査や金市場のマーケット分析に携わり、現在はマーケット ストラテジィ インスティチュート代表取締役の亀井幸一郎氏が、日本人にとって金投資はどのようなメリットがあるのか解説する。

 * * *
 私自身は、金価格は2011年9月の史上最高値1923.7ドルで大天井を打ったと思っていない。アメリカの量的緩和の縮小がもし9月に始まっても、やはり、そこは買い場だと考える。金価格は一時的に下がるが、実需の買いが入るからだ。

 今年2月に国内価格1グラム=5000円を超えていた金先物価格も6月末から7月初旬にかけて一時、4000円を割り込み、8月現在は4000円前半で推移している。今後も下落して4000円方向に接近する局面があると思うが、その水準まで下落した時は、買いを検討していいタイミングではないか。加えて、円安基調とはいえ、まだ1ドル=100円を下回っており、為替の面で日本人が金を有利に買える状況は続いているといってよいだろう。

 購入を考えているなら、金価格が下がった時に、1オンスの地金型金貨を随時買っていくのもいいし、純金積立で最小限額の契約をしておき、下落したところで、購入手数料がかからない「スポット購入」でまとめて買うのも有効な手段だろう。

 最近、100グラム、200グラムの金地金(バー)を買う人も増えている傾向があるが、1個あたり500グラム以下の金地金には、バーチャージがかかる。バーチャージが気になる人は、1つの手として、スポット購入目的で純金積立を活用するとよいだろう。

 日本では日銀が「異次元」の金融緩和策をこれから本格化させる。ばら撒き政策は、通貨を弱くする。日本人にとって、金は今後、新たな意味を持つ資産になってくるのではないだろうか。将来のインフレなどに備えたいなら、金価格が調整に入っている今の状況は、ある意味、買いのチャンスともいえる。

※マネーポスト2013年秋号

関連記事

トピックス

62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
今回の地震で道路の陥没に巻き込まれた軽自動車(青森県東北町。写真/共同通信社)
【青森県東方沖でM7.5の地震】運用開始以来初の“後発地震注意情報”発表「1週間以内にM7を超える地震の発生確率」が平常時0.1%から1%に 冬の大地震に備えるためにすべきこと 
女性セブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン