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2013.10.20 16:00  週刊ポスト

孤独死予備軍の共通項 友達、社会参加、関心ナイナイ尽くし

 総務省の2010年国勢調査によると、高齢者人口(65歳以上)は約2924万6千人、単身世帯は約479万1千世帯で、高齢者人口の約16.4%にのぼった。おひとりさまの高齢者は、仕事を引退後、新たに友達をつくることが難しい男性に多く、現役時代の肩書を引きずる人にも多いといわれる。彼らを孤立させないためには、どうしたらよいのか。

 地域一帯となって独居老人を見守ろうという取り組みも最近は増えてきた。

 阪神・淡路大震災後にできた復興住宅に住む76歳の男性もそうした取り組みに参加する一人。周辺は、100世帯以上ある住宅地になっているが身寄りのない高齢者も多い。男性自身も、夫人には20年以上前に先立たれている。そこで地元の有志6人と“見守り隊”を結成したという。

「孤独死のサインのひとつが、ドアに差し込まれっぱなしの新聞。こうなると中で倒れている可能性が高い。それで助かった方もいます」

 信頼できる間柄同士、スペアキーを預け合うこともあるという。男性も既に76歳、パトロールするのが辛いときもある、と零すが、「60歳を過ぎると、今住んでいるところで死にたいと思うようになるんですよね」と地元への思いも語る。

 一方、発想を180度転換し、定年を機に新しい土地へ飛び込む人もいる。65歳男性は、神奈川から東北へ。

「田舎暮らしに憧れていたので5年前に思い切ってここに庭付きの家を買いました。近所には魚が旨い店があって店のオヤジとも仲良くなりましたよ。釣りや野菜作りを通じて近所にも仲間が増えてきたところです」

 北海道に移住した66歳男性には、後日、夫人が合流する予定になっている。

「一人で先行して来たものだから気付くと1週間、誰とも口をきいていないことがあって、これはヤバイと」

 そこで町の名所旧跡を巡る会や俳句の会合に参加し、知り合いを増やしている。

「徳は孤ならず、必ず隣あり、ですから。新たな関係を作っているところです」

 アドバイスはというと「近所との関係を有効に保つこと」。都会とは比べものにならないほど濃密な人間関係。負の面も否めないが、そこで余生を送るのではなく、そこで畑仕事をするなど目的がしっかりしていれば、そのための人間関係は適度に広がっていく。

 仕事を通じ趣味を通じ、または暮らし慣れた地域の人と新しい土地の人と──新しい人間関係は、どこにどんな形で築いてもいい。

 重要なのは、今から来るべきそのときに備えておくこと、そしてその暁には、会社員時代のプライドの一切を捨てることだ。

 その覚悟さえ決まれば、次の一歩は意外と簡単。これから親しくなるかもしれない人への挨拶をしてみてほしい。

『隣人の時代~有縁社会のつくり方』(三五館)著者の一条真也氏はいう。

「孤独死予備軍には共通項があって、友達がいない、社会参加をしない、何事にも関心をもたない……とナイナイ尽くしです。実はこれをアルに変える画期的な方法が一つある。挨拶をするということです。近所の方をみたらとにかく挨拶。これだけでオセロの黒が一気に白になるように世界は変わるものなんですよ」

※週刊ポスト2013年10月25日号

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