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【ドル円週間見通し】米雇用統計改善の場合も上げ渋る展開か

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、10月21日~10月25日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、米国9月の失業率と日本の9月のインフレ率を見極める展開となる。米国9月の雇用統計が悪化していた場合は、ドル売り材料となるが、改善していた場合でも、10月の雇用統計が悪化する可能性が高まっていることで、ドル・円は上げ渋る展開が予想される。米国の雇用情勢が悪化するとの懸念から、29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(量的緩和縮小)は見送られるとの見方が強まっている。

【日本9月の貿易収支】(21日)
 日本の9月の貿易収支は、9200億円の貿易赤字と予想されており、15ヶ月連続しての貿易赤字は、ドル・円を下支える材料となる。

【米国9月の雇用統計】(22日)
 米国9月の雇用統計の予想は、失業率は7.3%(8月:7.3%)、非農業部門雇用者数(8月:+16.9万人)は前月比+18.0万人と見込まれている。米国9月の雇用統計が改善していた場合でも、11月8日に発表される米国10月の雇用統計が、10月1-16日の政府機関の閉鎖を受けて悪化が懸念されていることで、10月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、資産購入プログラムの縮小は見送られると予想されている。

【米国連邦準備理事会(FRB)の高官の発言】
 バーナンキFRB議長が9月のFOMCでテーパリング(量的緩和縮小)を見送った理由として、米国議会での財政協議の決着待ち、があった。米国議会で財政協議が合意に達したことで、10月29-30日のFOMCでのテーパリングの可能性を見極めるため、米国連邦準備理事会(FRB)の高官の発言に注目する展開となる。

【米財務省半期為替報告書】
 10月中旬に発表予定の米財務省半期為替報告書では、アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)の結果としての円安に対する見解を注目する展開となる。

【日本のコア消費者物価指数】(25日)
 日本の9月のコア消費者物価指数は、前年比+0.7%と予想されており、8月の+0.8%からの低下が見込まれている。デフレからの脱却基調にある限り、円安要因となる。

 10月21日-25日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

○(日)9月貿易収支 21日(月)午前8時50分発表
・予想は、-9200億円
 参考となる8月貿易収支 は14カ月連続の赤字となっている。輸出額は回復基調を維持しているが、燃料需要増や円安によって輸入額も増加している。9月上中旬分の貿易収支は-9940.2億円で貿易赤字額は前年同期の5212.5億円を大きく上回っており、市場予想は妥当か。

○(米)9月雇用統計- 22日(火)日本時間午後9時30分発表
・予想は、非農業部門雇用者数は+18万人、失業率は7.3%
 9月14日時点の新規失業保険申請件数は30.9万件に減少、失業保険継続受給者数は8月の同時期を下回っている。非農業部門雇用者数は8月実績を上回る可能性が高いが、失業率については労働時間に大きな変動がないことから、横ばいとなる見込み。市場コンセンサスは妥当か。

○(米)9月新築住宅販売件数- 24日(木)日本時間午後11時発表
・予想は42.5万戸
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は9月57←8月58と低下し、マイナス要因。住宅ローン金利水準に大きな変動はなく、中立要因。住宅ローン申請指数内訳の購入指数は低下傾向にあるため、マイナス要因。8月実績の42.1万戸をやや下回る可能性も。

○(米)9月耐久財受注- 25日(金)日本時間午後9時30分発表
・予想は、前月比+1.7%
 参考指標となる9月ISM製造業景況指数の内訳「新規受注DI」は60.5と8月63.2から低下。9月の各地区連銀公表の製造業関連指標はフィラデルフィアが改善したが、リッチモンド、NYは低下している。変動が大きい航空機需要次第となる。

 主な発表予定は、21日(月):(米)9月中古住宅販売件数、24日(木):(米)前週分新規失業保険申請件数、25日(金):(日)9月全国消費者物価指数。

【予想レンジ】
・ドル・円95円00銭-100円00銭

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