スポーツ

落合流ドラフト指名術 かつてT-岡田より平田を優先した理由

 10月24日、プロ野球のドラフト会議が行なわれた。落合博満ゼネラルマネージャー(GM)を迎え入れた中日は、5球団が競合した桐光学園の松井裕樹投手を1位指名するも抽選に外れ、聖隷クリストファー高校の鈴木翔太投手を1位で指名した。最終的に育成選手を含めて8名を指名し、落合氏は「十分です。これだけ順調に取れれば」と語った。

 今回の落合氏のドラフト指名の戦略を読み解くべく、過去のドラフトを振り返ってみよう。中日は2005年オフの高校生ドラフトで、T-岡田(現・オリックス)を1位指名する予定だったが、落合監督(当時)の鶴の一声で変更になったという内幕がある。半年前の講演会で、落合氏みずから、こう話している。

「T-岡田、どうするかって話があったの。で、俺が平田(良介)いったの。岡田、どこ守らすんだ? これが俺のいちばんネックだった。(当時の中日には)ファーストに、タイロン(ウッズ)がいた。最終的には(ケガなど)いろんなことがあっても、森野がファーストにくれば収まる。そのときに、(ファーストである)岡田が外野守れるかどうか、これがメインだった。

 だったら、守れるヤツってことで、平田をドラ1でいったの。そのときのドラ1(候補)は、平田、岡田、日本ハムに入った木下(達生)、この3人の誰かだった」

 このときもGM的視点に立ち、チーム編成を考えた上で、平田の1位指名を推したようだ。平田は落合政権最終年となった2011年にようやく開花。今年も、15本塁打を放ち、レギュラーを張っている。一方のT-岡田は5年目の2010年に本塁打王に輝いたが、その後は苦しみ、今年はわずか4本塁打に終わっている。
 
 中日ではウッズ、トニ・ブランコ、マット・クラークと近年は外国人の長距離砲がファーストを守り続けているだけに、T-岡田が入団していても、いまだに守る場所がなかったかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン