今回の田中のケースでも岩隈の時と同様、当時のB氏と同じ立場にいるCという職員が、田中の渡米に合わせて独立し、マネジメントをするという話が出ている。岩隈の時と同じ構図です」(前出の代理人)
楽天側に質すと、「ノーコメント」とするのみだったが、「田中利権」を狙う人々の動きは、このA氏を中心に回っていると見て間違いなさそうだ。
駆け引きは、すでに水面下で始まっている。田中を狙う者たちはA氏に牽制をかけるように、田中の“外堀”を埋めにかかっているのである。
「代理人はもちろん、メジャーのスカウトたちの動きも活発化している。田中に近い人物と会食したりして、その球団の待遇、環境などのアピールに加えて、他の球団や代理人のマイナス部分を、意図的に漏らすのです。すでに足の引っ張り合いも始まっています。
田中本人に直接コンタクトが取れない分、代わりに親しい人物を取り込むしかない。少しでも田中の獲得レースを有利に運ぼうと、血眼になっています」(MLB関係者)
ある楽天球団関係者が続ける。
「その意味では、A氏はさすがといわざるを得ない。実はC氏は、田中が最も信頼しているといわれる人物。彼がマネジメントするといえば、田中も頷くでしょうからね」
※週刊ポスト2013年12月6日号