尿漏れの悩みは誰にとっても他人事ではない。事実、最近では失禁や尿漏れ対策として、おむつを着用する男性が増えている。それを示す数値もある。
大人用おむつ市場はこの10年間で2倍に拡大し、市場シェアトップのユニ・チャームでは、大人用おむつの売り上げが既に乳児用を上回っている。他のメーカーも、数年以内には大人用おむつが乳児用を上回る見通しだ。
大手メーカーの調べによれば、現在の大人用おむつの市場規模は約1200億円。「介護用品」のイメージが強いが、実は病院や介護施設などで使われているのはそのうち500億円程度。それ以外の700億円は、在宅や日常のシーンで使われる一般用だという。
今回、取材したメーカーの調べによれば、おむつの使用開始年齢は60代半ばから70代。だが生理用ナプキンなどを使い慣れている女性とは違い、男性は恥ずかしくて誰にも相談できずに悩んでいるケースも多い。
たしかに、男性にとって、ドラッグストアなどの店頭でおむつの相談をするのはかなり勇気がいる。介護アイテムを扱うケアーメディカルの石川小百合社長の話。
「“恥ずかしいことではない”と頭ではわかっていても、実際にお店にいって“尿漏れパッドをください”とはなかなか言いにくいもの。ドラッグストアの店員に知識が乏しい場合もあります」
だからこそ、自分でおむつについて知っておくことが必要なのだ。
※週刊ポスト2013年12月20・27日号