ビジネス

NISA向け商品の本命としてインデックスファンドに各社が注力

 いよいよNISA(少額投資非課税制度)が2014年1月から始まる。スタート目前にして、投資信託業界では新しい動きが出てきた。投資信託としては最もオーソドックスといえる、インデックスファンドの新規設定が活発となっているのだ。その背景やラインナップなどについて楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子氏が解説する。

 * * *
 ここにきて、なぜインデックスファンドが、NISA用としてクローズアップされているのだろうか。

 当初、NISAで初めて投資をするといったビギナー向けとして本命視された、「リスクコントロール型」や「絶対収益追求型」といった投資信託は、現在、積極的にセールスされている様子は見られない。

 リスクコントロール型とは、基準価額の下落リスクを抑えながら、安定的なリターンを狙うことを目的としたファンドだが、運用の中身自体は比較的高度な内容になっている。

 販売会社の店頭で、ビギナーの人にきちんと中身を理解してもらうことは、なかなか難しい。市場動向にかかわらず収益の追求を目指す絶対収益追求型については、そのカテゴリーの名称から、元本が保証されているような誤解を与えてしまう恐れがある。そうした点から、影を潜めていると想定される。

 そうしたものに代わって、NISA向けの本命として販売会社が注力しているのが、インデックスファンドである。株や債券などのさまざまな指標(インデックス)と連動することを目指して運用されている、というシンプルな中身がビギナーにも理解されやすいというわけだ。特に、販売手数料が実質無料(ノーロード)で、信託報酬がインデック型の中でもより割安な低コストのインデックスファンドに対する注目度は高い。

 実際、そうした「低コスト・インデックスファンド」は増えている。これまでは、三井住友トラスト・アセットマネジメントの『SMTインデックスシリーズ』や、三菱UFJ投信の『eMAXIS』シリーズが代名詞的な存在であったが、2013年9月に、ブラックロック・ジャパンから『i-mizuhoインデックスシリーズ』が新規設定された。

 みずほ銀行とみずほ証券のインターネット専用投資信託となっており、NISA向けとして設定されたことは明らか。しかも、これまでインデックスファンドが極めて少なかった、「東南アジア株式」や「インフレ連動債券」、「コモディティ」といった指標に連動するものを含め、合計22種類のインデックスファンドが設定されている。かなり意欲的なシリーズとなのである。

※マネーポスト2014年新春号

関連記事

トピックス

1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
太田房江・自民党参院副幹事長に“選挙買収”工作疑惑(時事通信フォト)
【激震スクープ】太田房江・自民党参院副幹事長に“選挙買収”工作疑惑 大阪府下の元市議会議長が証言「“500万円を渡す”と言われ、後に20万円受け取った」
週刊ポスト
2024年5月韓国人ブローカー2人による組織的な売春斡旋の実態が明らかに
韓国ブローカーが日本女性を売買春サイト『列島の少女たち』で大規模斡旋「“清純”“従順”で人気が高い」「半年で80人以上、有名セクシー女優も」《韓国紙が哀れみ》
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 自民激震!太田房江・参院副幹事長の重大疑惑ほか
NEWSポストセブン