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児童ポルノ禁止法改正案、共謀罪成立は官僚主導加速の懸念も

 2年目に入った安倍政権。これから、注目するのは「脱官僚」である。一見、民主党時代より実務能力が高く見える安倍政権だが、そのタネを明かせば、官僚に頭を垂れ、彼らの利益を守ることと引き換えに内閣の運営を霞が関に丸投げする自民党の旧弊が完全復活したからだ。

 昨年、本誌は特定秘密保護法に反対したが、主張の根拠は左派が言う「軍国主義復活」などではなく、これも官僚主導国家につながるとの懸念だった。

 今年の通常国会に提出される見込みの児童ポルノ禁止法改正案にも同じような懸念がある。これに反対すると、また「出版社のエゴ」「そんなにポルノを売りたいのか」と反撃されそうだが、そうした声は官僚の思う壺だ。

 もともと同法では児童ポルノの定義の一つが「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」と、いかようにも解釈できるように定められており、官僚や捜査当局の恣意的な判断で規制、検挙できる余地があった。

 今回の改正では罰則の対象に「所持」が加わり、さらには被害児童のいないマンガやアニメまで対象にするよう検討することが盛り込まれている。悪意の権力者がいれば、例えばいわゆる「パンチラ」シーンのある少年マンガが一冊でも家にあるだけで、誰でも逮捕したり家宅捜索したりできるようになりかねない。

 多くのケースでは本来の目的(児童保護)に用いられるであろう法律であっても、悪用の余地がある限りは問題を指摘し続けるのが国民とジャーナリズムの責任だろう。

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