国内

児童ポルノ禁止法改正案、共謀罪成立は官僚主導加速の懸念も

 2年目に入った安倍政権。これから、注目するのは「脱官僚」である。一見、民主党時代より実務能力が高く見える安倍政権だが、そのタネを明かせば、官僚に頭を垂れ、彼らの利益を守ることと引き換えに内閣の運営を霞が関に丸投げする自民党の旧弊が完全復活したからだ。

 昨年、本誌は特定秘密保護法に反対したが、主張の根拠は左派が言う「軍国主義復活」などではなく、これも官僚主導国家につながるとの懸念だった。

 今年の通常国会に提出される見込みの児童ポルノ禁止法改正案にも同じような懸念がある。これに反対すると、また「出版社のエゴ」「そんなにポルノを売りたいのか」と反撃されそうだが、そうした声は官僚の思う壺だ。

 もともと同法では児童ポルノの定義の一つが「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」と、いかようにも解釈できるように定められており、官僚や捜査当局の恣意的な判断で規制、検挙できる余地があった。

 今回の改正では罰則の対象に「所持」が加わり、さらには被害児童のいないマンガやアニメまで対象にするよう検討することが盛り込まれている。悪意の権力者がいれば、例えばいわゆる「パンチラ」シーンのある少年マンガが一冊でも家にあるだけで、誰でも逮捕したり家宅捜索したりできるようになりかねない。

 多くのケースでは本来の目的(児童保護)に用いられるであろう法律であっても、悪用の余地がある限りは問題を指摘し続けるのが国民とジャーナリズムの責任だろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン