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同人誌の市場規模は700億円 ネットと通販の活用で成長持続

 インターネットと通信販売の普及は人を現実世界の娯楽に向かわせなくなったと言われている。しかし、リアルで人と交流できる即売会には多くの人が集まっている。コミックマーケットの来場者数は、毎回、過去最高を更新し3日間でのべ50万人を超えている。前出の中村氏が代表をつとめるコミティアは今年30周年を迎え、毎回3500~5000ものサークルが参加する規模に成長した。2月2日には東京ビッグサイトにて今年最初のコミティアが開催される。

「同人誌の流通量としては即売会で売れる割合は減っているかもしれませんが、ネット通販を含む専門書店での割合が増えているので、全体の総量はあまり変わっていないと思います。それでも即売会への参加者は増え続けています。同人誌即売会は全国で毎週末開催されており、年間通算で2000イベントに及びます。

 インターネットが手軽になりツールがどれだけ発達しても、人は生身のコミュニケーションを求めずにはいられないのでしょう。SNSで即売会などイベントの楽しげな様子を見て、それをきっかけに来場する人が多いですね。

 目の前でお金を払って自分がつくったものを手にとってもらえる喜びは、即売会でなければ味わえません。売れないことも一つの評価なんです。がっかりしてそこでやめてしまう人もいますが、次はもっと面白いものをつくろうと頑張る人もいる。購入する立場になっても、市場で生産者と直接やり取りしながら泥付き野菜を買うような楽しさもありますし、作品の『パッケージ』として紙の本を所有したい気持ちをかなえてくれます。

 電子コミックの裾野が今後は広がっていくでしょうが、そこから紙の本を作りたい人やパッケージとして紙の本を所有したい人も必ず出現すると思います。そういったとき、小ロットに対応できる同人誌は便利なメディアです。そして、本というスタイルにこだわらず、さまざまなメディアでの発表やパフォーマンスなど、あらゆる形をできる限り受け入れるしなやかさが同人誌というメディアにはありますね」(前出・中村氏)

 政府がすすめる成長戦略のひとつにマンガを含むクール・ジャパンが含まれている。外からの見た目のポップさ、キッチュな魅力が強調されているが、同人誌というメディアがあることで表現の自由さを体感できるのが最大の魅力といえそうだ。

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