ビジネス

非正規雇用者「職場のチョコ格差が不愉快」の声高まっている

 今年もまた「バレンタインデーの悲劇」を繰り返されるのか。2月14日に露わになる格差社会の現実とはなにか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が語る。

 * * *
 もうすぐバレンタインデーです。このバレンタインデーにより可視化される格差、これにどう向き合うか。負荷をどうするか。これは職場の、今、そこにある危機です。デパートやスーパーでは年明け早々、売り場が作られます。クリスマス同様、バレンタイン商戦も早期化、長期化していますね。

 おなじみの本命チョコ、義理チョコだけでなく、最近は同性同士で贈る友チョコ、家族に贈るファミチョコ、お世話になった方に贈る世話チョコなるものも登場しています。少し古いデータではありますが、OZmallの『バレンタイン白書2013』によると、アンケートに回答した694人のうち、「チョコは誰にあげる?(複数回答)」という質問に対して1位の彼(385人)、2位の父親(254人)に続き、3位に女友達(168人)、4位に上司・同僚(134人)が入っています。まさに本命チョコ、ファミチョコ、友チョコ、世話チョコが勢揃いというランキングになっていますね。

 このチョコレート、もらうと嬉しいものですが、実は格差を可視化するものでもあります。

 私のPodcast番組「陽平天国の乱」に、非正規で働く男性から寄せられたお手紙は、モテと非モテだけでなく、正規雇用と非正規雇用の差を物語っていました。ただでさえ非モテなのに、非正規雇用者として職場に常駐しているので、どう頑張っても職場でチョコレートをもらう対象にならないのだとか。

 もちろん、これは一体験談にすぎないかもしれませんが、バレンタインデーに限らず、ここ十数年で、非正規雇用者が増えてきた中で、職場でのイベントは、誰が対象なのかは、問題となってきたことであります。

 義理チョコ、世話チョコについても、このままでは相当な負担、出費になるのではないかと不安になってしまいます。私も大手企業に勤めていた頃、2月14日になると、女性の営業担当者が手提げ袋いっぱいのチョコレートを持って営業に出かけていく様子を見かけたものです。

 普段、お世話になっているお礼、大事な商談のプッシュなどの意味があるようですが、自腹でやっているとしたならば、これは金銭的負担が大きすぎないかと思った次第です。会社の経費で行い、上司がそうするように指導しているとしたならば、女性であることを利用し営業活動をさせているわけで、それはそれで問題です。

 私たちはいつまでこんなバレンタインデーを続けるのでしょうか。そろそろ見直す時期なのではないでしょうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン