管理組合などない賃貸マンションの場合は、圧倒的に後者が“優勢”となる。2階建ての賃貸アパートで、妻と2人暮らしという70代男性はこうぼやく。
「若い人は普段からいるのかいないのかもわからない。せめてアパートの通路だけでも雪かきしようとお願いして回ったが、明らかに居留守を使われたり、出てきても“忙しい”、“別に困ってない”と断わられました。結局、近くに住む大家と2人でやりました」
週明けまで雪まみれという賃貸マンションも散見された。都心の賃貸では、引っ越して来ても互いに挨拶もなし、それどころか挨拶すれば不審がられることすらある。都心の集合住宅における人間関係が、雪を通して透けて見えた形だ。
ちなみに、「雪かきは管理会社の仕事」という認識は間違いなのだという。
「管理会社は、住民組織の管理組合から委託を受け、補修や清掃などを行ない、その対価として組合から委託業務費を受け取っています。しかし、都内の場合、今回のような大雪は想定されておらず、雪かきは一般的には業務に含まれていない。基本的には住民たちが行なうものとされています」(マンション管理研究会代表で、マンション管理士の飯田勝啓氏)
ただし都市部の場合、一部の管理会社が「サービス」として応じることはある。
「昨今は新築物件も少なく、管理組合に管理会社を変更されてしまうと痛手。だから、どうせ年に1回くらいだからと、ここぞとばかりに社員を駆り出してサービスの良さを売り込むんです」(大手管理会社30代社員)
※週刊ポスト2014年2月28日号