『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(KADOKAWA)の著者で塾講師の坪田信貴さん。本著では、偏差値30、学年ビリのギャル女子高生・さやかちゃんが、著者とともに慶應義塾大学合格を目指し、見事合格するまでの軌跡を描いている。
坪田さんは最初、さやかちゃんに「やぁ、個性的だね」と話しかけた。日ごろから心理学のメソッドを実践し、ネガティブに感じたことも、ポジティブな言葉に変換していくことを習慣づけているのだ。
「塾の面談でも、親御さんが子供を何分も叱ってから、“まぁ、良い子なんですけどね”とサラリとほめることも多いのですが、それだけ!?(驚)と思います。日本人はほめ言葉のボキャブラリーが少ないんですよね。でも、意識していれば、必ずほめられるようになれますよ」(坪田さん・以下「」内同)
でも、むやみにほめたら調子に乗りそうだし…ガミガミ言わないと自分から勉強しないと、親は思ってしまう。
「だけど、ぼくは言うんです。『ほめられて明るく調子に乗っている子と、叱られて萎縮している子と、どっちと一緒にいて楽しいですか』と。そうしたら、『明るい子』と、皆さんおっしゃいます。そして、ほめられて自己肯定感が強い人は、伸びる」
さやかちゃんは、母親がほめて育てていたため、「自分はバカ」と言いつつも、自己肯定感は強かったのだ。
でも、実際にどうほめたらいいのか?
坪田さんから問題を出された。
<子供が英語のテストで90点取ってきた。あなたはどうほめるのがいいと思いますか>
「えらいね、すごい」、「努力したね。あと10点で満点じゃない」と記者が答えると…。
「違います(笑い)。それは“自分の価値観”でほめていますよね。特に点数だけをほめてしまうと、次に子供がすごく頑張ったのに90点とれなかった場合、“よくない点数だ”と思うかもしれない。親も前回以上にはほめづらくなります。
大事なのは、“子供はどこが嬉しいのか”“どこをほめてほしいのか”を考えること。それには、素直に子供に聞いたらいいのです」
子供から点数の報告があったら、「嬉しそうね、これでどういうふうに思った?」と率直に聞き返すのが正解というのだ。
「ライバルに勝って嬉しい」「先生にほめられて嬉しい」「苦手科目なのに平均点より高かった!」…理由はいくつもあるだろう。それをほめることは、“その子の価値観”を尊重することにつながり、今後のモチベーションアップにもつながっていくという。
※女性セブン2014年3月6日号