周氏は公安・検察を管轄する党中央政法委員会書記も兼務していた。いわばかつての「取り締まり部門」のトップ。エネルギー関連の利権を握る“石油閥”でもあり、一昨年の11月に役職から退いたとはいえ、現政権にも影響力を持っていた。そんな周氏がなぜ摘発されるのか。北京駐在の大手紙記者が答える。
「莫大な石油利権を親族グループの懐に入れたと見られています。捜査対象の汚職金額は、1000億元(1兆7000億円)です」
周氏は一昨年に横領容疑で逮捕され、昨年無期懲役が確定した重慶市党委書記・薄熙来(はく・きらい)氏の汚職にも関係していたと見られている。
「それにしても常務委経験者は摘発の対象外とされていたから、ここまでやるか、と驚くしかない」(同前)
既に周氏の配下はことごとく逮捕され、その中には気功集団「法輪功」取り締まりの指揮をとっていた、公安副部長・李東生氏という“大物”もいる。
外堀は埋まった。周氏はすでに当局の軟禁下に置かれ、3月中にXデーが訪れるとの見方もある。
※週刊ポスト2014年3月7日号