ビジネス

高齢者麻雀人口増加 飲まない吸わない賭けない健康麻雀人気

 人気店の創意工夫を伝えて経営者の海外進出を後押しする『ラーメン新聞』、「東京五輪特需」や「クリーニング偽装」を追いかける「日本クリーニング新聞」など、全国には2000を超える業界紙がある。そして、麻雀に関する情報を発信する『麻雀新聞』も存在する。

「最近は雀荘も変わりました。女性スタッフの多い雀荘も多く、ひと昔前の暗くて怖い鉄火場のイメージとは違う、明るい店が増えました。弊紙の連載『わたしの店 人と経営』でも、全国の個性あふれる雀荘と店主を紹介しています」

 そう語るのは、『麻雀新聞』の鈴木充編集長だ。同紙で働く前は、雑誌の編集者をしていたという。

「編集者だった頃は麻雀をよく打っていましたが、出版社を辞めてから5年間くらいは全く打たなくなった。なんとなく打たなくていいやと思っているとやる機会も減るんですよ。いまでは、麻雀を打つのは年に数回くらいです。趣味は、古い映画や70年代音楽、読書。麻雀をしてなくても、結局インドアな生活をしています」

 同紙の昨年のスクープは、麻雀界で初の賞金総額1000万円を賭けた大会の様子を紙面にしたことだ。

「主催者側は違法行為がないように、参加費の集め方や賞金の配分方法などについて官公庁や警察、弁護士に何度もヒアリングして議論を重ねたようです。業界内ではビッグイベントでした」

 業界の新しい流れとして、近年は高齢者の麻雀人口が増えており、雀荘経営者、愛好家に加え、同紙の新しい購読層となっている。

「お酒を飲まない、たばこを吸わない、お金を賭けない“健康麻雀”が高齢者の間でブームなんです。頭も手先も使う麻雀は、ボケ防止にはもってこい。震災後の不安や孤独を癒す憩いの場として、『麻雀があってよかった』と話すご婦人もいるほどです。紙面でも、健康麻雀の記事を増やしています」

 近年は、「ねんりんピック」にも注目している。厚労省と地方自治体の主催で毎年開催される、60歳以上を対象としたスポーツや文化芸能の競技会で、麻雀は2010年から5年連続で正式種目に選ばれている。大会の様子や結果、順位を同紙でレポートする。参加者は自分の名前や顔が載った号を買い、そこから定期購読へつながる例もある。今年は10月に栃木で開催される予定だ。

 高齢者が増加する一方で気がかりなこともある。

「雀荘にいても若者の姿をあまり見ない。僕が大学生の時は、若い奴らが結構いたものですよ。いまの若い子たちはもっぱらネット麻雀をしてるみたいですね。人数を集める手間や、場所代などを考えると効率的といえるかもしれません。

 ただ、業界の裾野を広げるためにも若者世代の取り込みは必要。全自動で牌を配る雀卓はもはや珍しくありませんが、これまでの概念では想像もしなかったような画期的な卓をメーカーは開発すべきです」

※週刊ポスト2014年3月14日号

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン