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「ラーメン新聞」編集長 年間200杯弱食べサウナで「塩抜き」

業界紙「ラーメン新聞」の岡安秀一編集長

 昼食時には電子レンジがフル稼働する『冷食タイムス』、3時のおやつを欠かさない『菓業食品新聞』──全国には2000を超える業界紙がある。そこには一般紙では決して知ることのできない各業界のディープな情報が詰まっており、それを追う記者もまた個性に溢れている。人気店の創意工夫を伝えて経営者の海外進出を後押しする「ラーメン新聞」の編集部を訪ねた。

「地方や海外へ行くと必ず地元のスーパーに寄って、ラーメンを買っちゃいますね」

 そういいながら、『ラーメン新聞』の岡安秀一編集長は大量の即席麺を机の上に広げる。旭川に博多、ベトナム、香港……編集部の机の上には地域も味も様々な麺がずらりと並ぶ。

 岡安編集長は2日に1杯、年間200杯弱のラーメンを食べるという。

「放っておくと血圧が心配なので、週に2回、サウナで汗をかいて“塩抜き”をしています(笑い)。毎日の通勤では自宅から4km弱の距離を40分ほどかけて歩いていますよ」

「夕食だけで2000キロカロリーほど食べてしまうこともザラ」という食生活のため、前後の食事を調整するなどして体型をキープしている。

 食べる側ではなく、作る側に向けたラーメン専門紙の歴史はまだ浅い。日本食糧新聞社から2011年に創刊された新しい新聞だ。

「これまでのラーメン専門雑誌などは“ラーメンマニア”のための情報がほとんど。食材を通じて作り手の考えや商品化の意図をグッと掘り下げて、業界が成長していくための・プロのための新聞・を作りたい──その一念から創刊しました」

 毎号、1面では注目店の創業記を特集する。専門紙だからこそ語られるディープな内情に迫り、2面では同店の営業概況やラーメンの特徴、調理法を詳述する。こうした情報は、他の経営者の参考になっている。

「日本食で海外へ出ていける急先鋒というと、ラーメンなんですよね。香港、台湾、シンガポールでは、ラーメンバブルがものすごい。これから海外進出を狙う経営者だけでなく、国内で頑張る店主たちにも“ラーメンはそんなに甘くない”“これくらい頑張らなければ成功しない”と広く伝えたい」

撮影■渡辺利博

※週刊ポスト2014年3月14日号

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