ビジネス

安倍首相と会談したジョージ・ソロス氏 日本株の上昇を想定

 アメリカの金融緩和縮小によって世界のマネーの流れが大きく変わりつつある。そんな中で海外の投資家たちは日本株の行方をどのようにみているのだろうか。外国人投資家の動向について詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表取の宮島秀直氏が解説する。

 * * *
 世界の金融市場における目下の最大の材料は、米FRB(連邦準備制度理事会)が実施している「テーパリング」(量的金融緩和の縮小)であることは論をまたない。そして、テーパリングによって、ドル資金が新興国市場から流出するという懸念は、まず、昨年7月のインドネシア、インド、ブラジル各国通貨の急落、そして、今年1月のアルゼンチンペソ、トルコリラ、南アフリカランドの急落となって現実化した。

 ソロスファンドを率いるジョージ・ソロスは、昨年末の急速な先進国株高と、これとは対照的な新興国通貨の下落加速を対比しつつ、「新興国通貨の急落が伝播した場合、海外の投資家は緩めすぎたリスク許容度のたがを引き締めるため、日本や米国の株式市場に対しまとまった売りを出すだろう」と同社運用幹部に語っていたことを、12月の現地訪問で確認している。それが、今回のリラとペソの暴落、それに付随した日本株と米国株の下落である程度達成された格好となっている。

 この調整を受けて、ソロスのスタンスに変化が見られるようになった。それは、依然として世界の金融市場は不安定としながらも、日本の株式市場についての先高期待だ。1月にスイスで開催されたダボス会議での公式・非公式の発言でも、珍しく日本経済に関するコメントが目立っていた。安倍首相とも会談を行なっている。さらに重要な点は、そうした先高期待はソロスだけでなく、2月以降のEメールによるヒアリングを通じて、バリュー投資を好む海外大手機関投資家を中心に目立ってきたことだ。

関連キーワード

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン