島を歩けばいたるところで少年野球チームを目にする
「我々は一年中海で泳ぎ、大地を走り回るうちに運動能力が養われる。キュラソーの人間は野球をするために生まれてきた」
島内の強豪少年野球チームでコーチを務める、スタンリー・シモンが誇らし気にいう。ドミニカ人同様高い身体能力を誇るキュラソーの人々には、独特の野球環境がある。ドミニカの少年たちが遊びの延長で野球をプレーするのに対し、キュラソーの人々では7~18歳まで緻密な制度の下で育成されていく。少年野球は年齢別に6つの区分に分かれ、同じチームで自動昇格していくのが一般的だ。
キュラソーは石油精製の産業が発達し、周辺国ほど貧しくはない。そのため、少年野球チームがきめ細かくできたのだろう。現地紙『ウルティモ・ノティシア』のジュリアス・ココ記者によるとチーム総数は100以上で、島内には各年代別に3つの少年野球リーグが存在する。そのうちのひとつ、リガ・パリバの選抜チームは、国際大会の常連で昨年ジュニアチーム(13~14歳)が世界3位に輝いた。
各年代ともに1チームの人数は12~15人で、複数の守備位置に就く。リガ・パリバの会長デニス・ダンブルックによると「チャンスを広げるため」だ。
※週刊ポスト2014年4月4・11日号