スポーツ

バレ、AJら輩出 人口15万人の島がなぜ野球王国となったのか

カリブ海に浮かぶ島・キュラソーの野球環境は

 今年もいよいよプロ野球が開幕するが、昨年、60本塁打の日本最多記録を打ち立てたヤクルトのバレンティンの出身地として知られるのが、カリブ海に浮かぶ人口15万人の島・キュラソー(オランド領)だ。バレンティンのほかにも日米野球界に数々の名選手を輩出している。世界を席巻する「小さな野球王国」の強さの秘密に迫った(取材・文/中島大輔 撮影/龍フェルケル)

 * * *
 米国のマイアミを出発した飛行機が南米大陸に近づくと、カリブ海にポツンと浮かぶ小島が見えてきた。1499年にスペイン人とイタリア人の探検家に発見された、オランダ領のキュラソーだ。人口15万人、国土面積は種子島と同じほどのキュラソーは現在、メジャーリーグの熱視線を浴びている。

 昨年日本でシーズン本塁打記録を更新したウラディミール・バレンティンの故郷でもある同島から近年、ドジャースの守護神ケンリー・ジャンセンや7年総額60億円の契約を結んだブレーブスのアンドレルトン・シモンズらスター選手が次々と誕生しているからだ。現役メジャー選手数では、同じ中米のドミニカ共和国出身者が米国以外で最も多いが、人口比ではキュラソーが圧倒している。

「ベネズエラやドミニカにもいい選手はいるが、広いから探し当てるのが大変だ。キュラソーでは車を5分も走らせれば、優秀な選手を見つけられる」

 オリオールズの現地スカウトのアーネスト・メイヤーが、そう語る。少年野球コーチとしても36年間活動する名伯楽は、この島の野球の歴史を変えた選手を育てた。昨季、楽天の4番打者として初優勝に貢献したアンドリュー・ジョーンズだ。

 1996年、ジョーンズは19歳のときブレーブスでデビュー。同年ワールドシリーズ初戦で初打席から2打席連続本塁打の離れ業を演じる。ヤンキースの英雄ミッキー・マントルの最年少記録を更新したことで、キュラソーでは野球人気が爆発した。

関連キーワード

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン