国内

記者が子宮頸がん患者データ横流し 共同通信は厳正対処を宣言

 昨年5月、人事部長による「就活女子学生への不適切行為」が発覚した共同通信社が、再びベテラン社員の“不適切行為”で揺れている。

 去る2月25日、都内で「子宮頸がんワクチンの危険性」を訴える国際シンポジウムが開催された。同ワクチンは昨年4月に国が定期接種に指定したものの、接種後に体の痛みを訴える報告が相次ぎ、2か月後に厚労省が「積極的な接種勧奨を控える」と判断したままの状態が続いている。

 現在は推奨派と即時中止派の激しい医学論争が繰り広げられている最中だが、その反対派シンポジウムの司会役を務めていたのが、共同の海外部に在籍する50代半ばのF記者だった。
 
「大ベテラン英文記者のFさんは、共同通信刊行書籍の翻訳を任されたこともある。語学力を買われ、欧米の学者が集まるシンポジウムの司会兼通訳を頼まれたようです」(共同関係者)

 メディアのベテラン記者がそうしたシンポジウムに招かれることは珍しいことではない。共同の内部では「見解が分かれる論争の一方に与する活動を記者の立場で行なったことは誤解を招く」という声も上がるが、最大の問題はそこではなかった。前出の共同関係者が明かす。

「F氏はワクチン問題の取材過程で、医療関係者から約140人の患者の個人情報を入手したが、それをシンポジウムに関わる知人の研究者や国会議員に無断で渡し、その情報がシンポジウムの場で利用された。それを知った情報提供者が共同に抗議し、情報の横流しが発覚したようです」

 疾病履歴が厳重に守られるべき個人情報であることは言うまでもない。とりわけ若い女性に急増している子宮頸がんは、「ほとんどが性交渉に起因する疾病だけに、患者さんの情報の扱いには特に慎重さが求められる」(婦人科医)という。また、情報提供した医療関係者は、報道目的でF記者に協力したわけであり、データ横流しは、情報源の秘匿という報道機関の根幹を揺るがす問題でもある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト