玄関に鏡を置いていたり、元々設置されているという人は多いだろう。風水建築デザイナーの直居由美里さんが、鏡の置き方で運気を上げる方法を解説する。
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風水では鏡は最も重要なアイテムのひとつです。
古来、鏡は特別なパワーを持つものとして尊重され、「三種の神器」にも入っています。鏡をご神体として祀っている神社も数多くあります。
「鏡餅」「鏡開き」という言葉も、神様にお供えした餅や酒をおさがりとしてありがたくいただくという意味です。
かつては、鏡を所有できたのは、公家や貴族など限られた階級だけで、庶民は水面に映すぐらいしか自分の顔を見る方法はありませんでした。
工業製品として鏡が大量生産される現代でも、鏡が割れるのは不吉な兆しです。鏡台にカバーをかけるのも、むきだしの鏡は力が強すぎると恐れられているからです。
台湾や香港など風水が生活にしっかりと根づいている街では、八卦鏡を飾っている建物をよく見ます。八卦鏡は、外から入ってくる邪気を跳ね返し、幸運を増幅させる効果があると信じられています。
風水的に鏡が最も力を発揮する場所は玄関。鏡を置いているお宅は多いはずですが、鏡の位置によって運気の流れが大きく変わってきます。
玄関を入って右側に鏡をかけると、地位や名誉が得られます。左側なら財運アップ。スペースが許すなら、全身が映るサイズの鏡がベストです。大きな鏡ほど、幸運を家中に拡散してくれます。
ただし、欲張って左右両面に置くのは逆効果。合わせ鏡となり、発展の気と財運の気がぶつかって、気が乱れてしまいます。鏡にはとても強い跳ね返しの力があるので、発展運、財運ともに落としてしまう結果となります。もし、玄関の両側に鏡があるなら、すぐにどちらか一方をはずしてください。
また、玄関を入って真正面に鏡を置くのも、外からもたらされる気をすべて跳ね返してしまうことに。もちろん、悪い気をシャットアウトする効果はあるのですが、幸運も入ってきません。現代社会では、家の外で活動することによって金運や人間関係運がもたらされます。外の世界とつながるはずの玄関なのに、正面に鏡があると閉じられた空間となってしまい、家の発展を阻害します。
鏡が壁などにはめ込まれて簡単に動かせない場合は、絵や布で覆い、鏡を使わないようにしてください。玄関の正面のガラス窓も鏡と同じ働きをするので、レースのカーテンをかけましょう。
※女性セブン2014年4月17日号