ビジネス

Jリート 出遅れ感のあるオフィス系の銘柄が有望かと専門家

 消費増税を乗り越えて景気回復が順調に続いていくと考えるならば、今年のJ-REIT(不動産投資信託、以下、Jリート)市場は引き続き、絶好の仕入れ場となるのではないかと予測するのはJリートに詳しいアイビー総研の関大介氏だ。関氏に注目するJリートの銘柄をあげてもらった。

 * * *
 注目する銘柄としては、出遅れ感のあるオフィス系銘柄が有望な候補となる。キャピタルゲイン(値上がり益)の上昇と、分配金などインカムゲインの増加というダブルの楽しみを狙いたい。

 オフィス系から銘柄を選ぶ際は、過去の実績分配金の平均値を確認し、現在の予想分配金との差をチェックすると、投資妙味のある銘柄が見つかりやすい。景気が回復していくなら、過去の実績値に近い水準の分配金に戻ってくる動きが出てくるからだ。

 また、Jリートの平均利回りに近い水準の銘柄を選ぶのもポイントである。マーケットよりも利回りが高い銘柄は、リスクがあると市場が判断しているとみてよい。

 景気回復の影響をダイレクトに受けやすいホテル系も狙い目だ。2020年夏季五輪に向けて最も恩恵を受けるのもホテル系である。たとえば、ジャパン・ホテル・リート投資法人は昨年から価格が上がっているが、まだ上昇の余地はあるとみる。

 住居系は6月以降まで待つ作戦がいいと考える。景気回復が続く場合、住居系の価格は、オフィス系の価格の上昇に遅れて連動して上がってくるという特色を露骨に持っているからである。オフィス系が値上がりするのは、分配金が増えそうという理由ではっきりしているが、分配金が増加しなくても住居系の価格がなぜか上がっていく場合があるので、注視しておきたい。

 逆に、景気が予想よりも思わしくない場合、オフィス系は価格が下がるだろう。それに追随し、分配金が変わらないのに住居系も下がることがあり、高い利回りを狙える局面もある。その点も含めて考えると、住居系は今年後半に物色したほうがより妙味を期待できるといえる。

 物流系は景気がよくなれば荷動きが盛んになり、景気が悪くなれば店舗を設けずにネットで注文を受けて倉庫から発送する動きが盛んになり、テナントの需要を支える。景気がどちらに振れても底堅い物流系を長期的に保有するのも有望な作戦だろう。

 Jリート全般にいえることだが、景気回復が思ったより進まない局面があったとしても、現在の分配金の水準は十分維持できる状況である。今年のファンダメンタルズ(基礎的条件)は非常に堅い。強いていえば、商業施設系は消費税増税の影響が見極めにくいので、今年は積極的に手を出す必要はないと考える。

 アメリカの財政問題など何らかの海外要因で相場が下がった時は、Jリートは買いのチャンスとなる。一時的に急落しても慌てて売らず、投資資金に余力のある人はそういう局面でこまめに拾っていくのもいいだろう。

※マネーポスト2014年春号

関連キーワード

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
国仲涼子が『ちゅらさん』出演当時の思い出を振り返る
国仲涼子が語る“田中好子さんの思い出”と“相撲への愛” 『ちゅらさん』母娘の絆から始まった相撲部屋通い「体があたる時の音がたまらない」
週刊ポスト
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン