スポーツ

田中将大の2014年成績を予想 打線次第で16勝8敗から11勝9敗

 今シーズンからヤンキースの投手となった田中将大が、日米通算100勝目をメジャーデビュー戦の勝利で飾った。かつて、その勝ち運の強さから「マー君、神の子、不思議な子」と野村勝也・楽天監督(当時)と言われた勝負強さも持っているが、その「神の子」の気になる成績はいかに。『プロ野球なんでもランキング』(イースト・プレス刊)の著者・広尾晃氏が分析する。

 * * *
 日本のプロ野球史上、被本塁打、奪三振、与四死球だけで投手の実力を測る評価指数「DIPS」で、優秀とされる2を切ったのは、ダルビッシュと田中だけです。田中は2012年は勝ち星こそ少ないが、それでも奪三振王になり、続く2013年はプロ野球記録を塗り替える24勝0敗を達成しました。これだけ見れば、メジャー1年目で、いきなりサイ・ヤング賞の候補になる可能性を秘めています。

 一方、不安材料もあります。目につくのは、田中が好調の年(表年)と不調の年(裏年)を交互に繰り返す「隔年投手」ということです。これは球数が大きく関係してきます。

 投げ過ぎた翌年は、不振でローテーションに穴を開けて投球数が減ります。24勝した昨年はレギュラーシーズン2981球、ポストシーズン438球と、キャリアを通じて最多の3400球以上を投じている。昨春にはWBCでも力投していることも気になる。つまり、その影響が出る今年は「裏年」になる公算が高いといえるのです。

 もう1つの注目すべきデータが「援護率」です。味方打線が何点取ってくれるのかを表わす数字ですが、楽天時代、7年間の田中の援護率は3点台後半から4点台前半。それが昨年は6.37と大幅アップしていました。実は、驚異の24連勝は援護率の高さの賜物だったともいえるのです。勝利に大きく関係してきますので、細かく見る必要がある。いくつかのパターンに分けて検証してみました。

 さて、これらの数値から今年の成績を推測します。

 まず最も理想的なケース。何らかの事情で、今年が「表年」になったと仮定し、さらに打線が、所属するア・リーグの援護率の高い選手並みに打ってくれるならば、「16勝8敗」は固い。

 ただ、最近のヤンキースは全般的に援護率が低い。特に、黒田博樹が登板した試合はより低い数値に留まることが多いのです。理由はハッキリしませんが、ともかく、黒田の登板試合並みに援護率が下がれば、表年であっても成績は「13勝11敗」に下降するでしょう。

 それに、前述したように本来なら今年は「裏年」です。このため総合的に見て、「11勝9敗」あたりが現実的なところではないかと見ています。

※週刊ポスト2014年4月25日号

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン