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業界最速・牛丼10秒提供のすき家 本社仕事も時間管理厳しい

 牛丼チェーンの「すき家」を運営するゼンショーホールディングスは、2010年度の連結決算で日本マクドナルドホールディングスを抜く売上高3700億円余りを達成し、外食産業のトップに立った。10年間で20倍以上の急成長だ。

 そのオーナー社長、小川賢太郎氏(66)は、「革命家」と呼ばれるほど異色の経歴で知られる。

 1948年生まれの団塊世代で、1968年に都立新宿高校から東大に入学して全共闘運動に身を投じるが、安田講堂の“落城”で敗北を味わう。そのときの身の振り方が他の学生と決定的に違った。多くの学生が教室に戻り、就職したのに対し、大学を中退し、今度は港湾労働者を組織化すべく、荷役会社へと潜り込んだ。

 だが、そこでも挫折と幻滅を味わい、逆に資本主義の優位性を痛感する。今度は、「資本主義体制の下で世界の飢餓と貧困を撲滅する」という大目標を立て、急成長中だった吉野家に入社した。1978年のことだ。これが今に至る道の始まりだ。

 小川氏が入社した2年後(1980年)、吉野家は経営危機が表面化した。小川氏は孤軍奮闘して自主再建を目指したが、会社は会社更生法の適用を申請。

「米、牛肉、醤油というシンプルな組み合わせの牛丼は必ずハンバーガー並みにポピュラーになる」と確信していた小川氏は3人の部下を引き連れて独立し、ゼンショーを設立した。1982年のことだ。

 社名の「ゼンショー」は「全勝」という意味だ。そこには、敗北の連続だった小川氏の「これからは全戦全勝だ」との思いが込められている。

 独立した小川氏は軍隊のような「鉄の規律」を導入した。それを物語るのが、企業理念に加え、社員や店舗スタッフの動き方までこと細かく記した「ゼンショーグループ憲章」だ。

 たとえば、カウンター席の客には、注文から原則10秒で牛丼を出す。外食産業に詳しい経営コンサルタントによれば、これは「業界最速」だ。

「営業報告から掃除に至るまでやるべきことのタイムテーブルも秒刻み。時間管理の厳しさは本社の管理部門でも同様で、商談は30分以内、歩く時は1秒に2歩以上が求められる。外食産業の多くでマニュアル化が進んでいるが、ゼンショーは突出している」

 ちなみに、社員には筋力トレーニングや朝礼時のスクワットが義務付けられていたこともある。

※週刊ポスト2014年4月25日号

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