あの頃のセピア色の思い出は壊したくない。三条市のような新しい試みは、自分の思い出を否定するように聞こえてしまう。だから脊髄反射的に、牛乳中止には反対したくなる。そんなリアクションが多いということだろう。
学校給食の牛乳が苦痛で仕方なかった記憶のある人も、少なからずいる。そういう人たちは、ニュースに対して、「あの頃はつらかった」とポツリとつぶやくなどしている。
どっちにしろ、世間の声の大半は自分語り。それにしてもこれだけマスコミに大きく取り上げられて、ネットで話題になっている当事者は大変なことになっているのでは、と思っていたら、1本の記事を見つけた。
新潟県中央部の情報サイト「ケンオー・ドットコム」が、國定勇人三条市長の記者会見内容をまとめている。牛乳中止の件に対して三条市に寄せられた意見は30件で、そのうち賛成は22件で、考え直した方がいいといった意見は8件。そして、記事は以下のように続く。
<さらに30件のうち29件までが市外から寄せられたもので、「こういうもんなんですよ」と国定市長。市外の人は三条市が完全米飯給食を続けていることを必ずしも理解しておらず、市民はかなり冷静に受け止めており、自身が耳にするのも「当たり前だよね」という肯定的な意見ばかりと語った>
1972年生まれとまだ若い國定市長がカッコいい。地方主権の時代に必要なリーダーシップは、なるほど、こういうもんなんですね。