ビジネス

かき氷ブームが本格化へ 家庭向け氷削機の売り上げは3倍増

 スイーツとしての関心が高まっている「かき氷」はゴールデンウィークからがシーズン本番。暑い日の食べ物のイメージが強いかき氷だが、最近は女優の蒼井優が『今日もかき氷』というエッセイで一年中かき氷を食べる様子をつづったように、通年で味わうケースが増えている。1950年から『スワン』の名称で知られる氷削機を製造する池永鉄工株式会社の池永一雄さんも「以前よりも繁忙期が早くやってきています」という。

「以前は氷削機の受注が増えるのは3月からでしたが、いまは2月から繁忙期がはじまります。氷削機の売れ行きは3年に一度くらい波があるのが通例でした。ところが最近5年ほど波がなく、前年より製造数を増やし続けています。最盛期だと、機種によっては2か月ほど待っていただくこともあるほどです。消耗品である替刃の消費も増えていて、2倍近く売れています。各店舗さんで氷を削る回数が増えているのでしょう」

 新規開店するかき氷専門店も増えており、今年4月には六本木に終夜営業のかき氷カフェバー「yelo」がオープンして話題を呼んでいる。夏までには世田谷に天然氷を使用したかき氷専門店が開店すると「東京かき氷コレクション2014 春」の会場でも話題にのぼっていた。専門店の増加は、氷削機製造メーカーの製造体制にも影響をもたらしている。

「6、7年前と比べると冬季の注文が10倍くらいになっています。それまでは9月になると急激に減り、10~11月に日本国内で売れる台数はごくわずかでした。それが、この5年ほどは冬でも氷削機をコンスタントに出荷しています。かき氷といえば4月から9月初旬くらいまでしか提供しないお店が多かったと思うのですが、今は冬でも出されているからだと思います」(前出・池永さん)

 実際に、かき氷を夏季限定から通年メニューへと変更した店舗は少なくない。たとえば日本茶専門店の「しもきた茶苑大山」は6月から9月の夏季限定メニューとしてかき氷を提供していたが、昨年からは通年メニューになった。

 人気が広まりつつあるスイーツとしてのかき氷だが、誰もが有名店に行列できるわけではない。パンケーキブームの影響でホットケーキミックスや冷凍パンケーキが売れ行きを伸ばしているように、お店で食べられるような、ふわふわした氷をつくれる家庭向けの氷削機も人気を集めている。

「10年ほど前から業務用の手動式氷削機を小型化した家庭向けの製品を販売していますが、4年前から格段に販売数が増えています。それ以前の3倍くらいは出ていますね」(前出・池永さん)

 ちなみに、その家庭向け氷削機の価格は4万8000円、5万8000円と決して安くはない。それでも販売数が増え続けるほど、かつての駄菓子の延長ではなくスイーツとしてかき氷は日本の家庭に浸透しつつあるようだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン