スポーツ

東大を優勝させよう会会長「東大野球部は自分の人生そのもの」

 もはや今季の全敗は既定路線。来秋にはいよいよ100連敗も見えてくる東京大学野球部。だが、そんな状況が東大への関心を高めたのか、試合ごとに神宮球場の東大応援席は熱気を増す。そこには応援団やチアリーダーに加え、一般の人々も多い。彼らはなぜ、負け続ける東大に寄り添い、東大を応援するのだろうか。

「東大を優勝させよう会」(略称・東優会)という団体がある。1974年(昭和49年)2月、熱狂的なファンによって設立されたファンクラブだ。東大OBでなくても入会でき、会員数は現在250名ほど。シャレで結成されたわけではなく、会の名称も大真面目だ。

 結成前年の1973年、いずれも最下位に終わったが、東大は春に3勝、秋に4勝を挙げた。接戦も多く、こういう試合を続けていたらいつか優勝できる、という思いから結成されたのだ。

 活動内容といえば、『淡青ふぁん』(淡青は東大のスクールカラー)という会報を発行する、選手と一緒に忘年会を開き、選手を慰労し励ますといったもの。勝ち点を挙げたらビールを差し入れる習慣もあるが、残念ながら、それは長年実現していない。ちなみに、東大が優勝したら解散する規定だ。

 同会会長の冷泉公裕氏(俳優、67)は、役者の卵として神宮球場でアルバイトしていた19歳のときから応援する筋金入りのファンで、試合がある時間帯には極力仕事を入れず、全試合を応援する。

「100連敗しようが神宮に来る。東大野球部は自分の人生そのものだから」だという。その冷泉氏が東大ファンの気持ちをこう語る。

「予定調和を裏切る劇的な展開がスポーツの魅力ですが、それをもっとも味わわせてくれるのが東大野球部です。いつもは打てない、守れないのに、たまに上手くいったときの喜びは常勝チームを応援している人には得られないでしょう。

 まるで綱渡りの連続のようにスレスレのところで相手の攻撃をかわし続け、8回まで1点リードという状況だったときの心臓のドキドキ感はたまりません。アドレナリンの出方が半端じゃないんです」

関連キーワード

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン