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移民受け入れなら東京五輪後失職外国人を税金で面倒見る必要

 移民受け入れをめぐる議論が活発化しているが、経済評論家の三橋貴明氏は断固反対と主張する。どのような問題が危惧されているのか。三橋氏が解説する。

 * * *
 世界的に見ても失敗例が多い移民政策に、日本政府が「周回遅れ」で取り組もうとしている背景には、震災復興や五輪特需などで不足する土木・建設業を中心とした単純労働従事者の確保がある。すでに自民党は外国人労働者の受け入れを拡大すべく、建設現場などで働く外国人技能実習生の在留期間を3年から最大で6年に延長する方針を打ち出した。

 しかし、彼らは労働者ではなく、あくまで技能実習生という立場のため、時給300円程度で働かされているケースがざらにある。まさに「奴隷労働」ともいえるが、そうした人々が「6年を過ぎたら解雇」と言われても、すんなり自国に戻るとは限らない。むしろ、どうにかして日本に残ろうとする不法滞在者が増えるだけだ。

 これは遠い将来の話ではない。政府は東京五輪開催の2020年に向けて外国人労働者を大幅に受け入れる方針を示している。五輪後は雇用期間を終えた大量の不法滞在者が街にあふれるだろう。仕事があればまだよいが、五輪特需が終われば仕事は減り職にあぶれることが予想される。

 職を失った外国人は生活のために犯罪に手を染める可能性もある。バブル崩壊後に外国人が違法テレホンカードを売っていたのはその典型だ。仮に外国人労働者を期間限定でなく永住することを前提に受け入れたならば、社会コストは莫大になる。彼らが失業すれば失業手当や生活保護などを支払わねばならない。日本人の保険料や税金で面倒を見ることになるのである。

※SAPIO2014年6月号

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