2010年大会のグループリーグ3戦目のデンマーク戦は深夜3時の中継開始にもかかわらず、30.5%を記録した。これは、『予選を突破できるはず』という期待が出ていたことの現われでしょう。2006年大会のグループリーグ3戦目のブラジル戦は、ほぼ同じ時間帯で視聴率は22.8%。この差はやはり、『勝てそうか否か』です。
そして、2010年大会の決勝トーナメント1回戦となったパラグアイ戦は、火曜22時40分開始で57.3%。初戦のカメルーン戦と比べると、条件はほとんど変わらないのに、12%も上がったのです。
要するに、視聴率を上げるには、いかに期待値を上げるかに懸かっている。だから、テレビは強豪相手にも『勝てるかも』と煽るし、決してネガティブなことはいわない。日本の視聴者は、テレビからの情報をそのまま受け取りがちな傾向にあります。でも、ギリシャ戦の数字の低さを見ると、最近はその手法も徐々に通じなくなっているのかもしれません」
初戦の敗戦は、グループリーグ突破の可能性を低くしただけでなく、テレビ局の視聴率にも大きく響いていたようだ。