前出の中原氏も、「手足口病だと気付かないほど軽症で治ってしまう子供も多いので、感染拡大を防ぐには、こまめな手洗いやうがいなどの予防策を取るしかない」と指摘するが、その一方でこんな見方をする。
「子育てと仕事を両立させている女性が増えているいま、子供が病気になったらすぐに仕事を休まなくてはならないという悩みを抱えています。
そんなとき、小児科のいる医療機関に保育室を設置した“病児保育”や、インフルエンザや手足口病のように他人に感染させる可能性がある間、子供を引き受けてくれる“病後児保育”の導入がもっと進めば、こうした問題もすぐに解決できますし、少子化対策にもなります」
保育の分野は<量(数)>の問題だけでなく<質>も問われている――と付け加える中原氏。感染症の流行を抑えるには、子供の健康管理はもちろん、多様化する子育て環境に即したハード面の整備も欠かせない。