大手チェーンでは企業努力で、よりそば粉の割合が高いものを提供しているようだ。大衆食文化に詳しいライターの松浦達也氏が語る。

「ブランド力がない小規模の立ち食いそば店では、そば粉の割合を上げた本格的な手打ち麺や素材にこだわったダシを使い、本格的な味を売りにする店が増えてきました。これに対抗すべく、大手チェーン店でもシルバー人材をフル活用。人件費を下げることで、食材費をギリギリまで上げています」

 そばの味を決めるもうひとつの要素であるダシについては、立ち食いそば店では業者の作った濃縮ダシを薄めて使うことが多いという。

「工場で鰹エキス、昆布エキス、煮干しエキスなどの化学調味料、粉末醤油、着色料を配合して作る。関東と関西では色も味も違うが、良心的な店ではティーバッグ式の鰹節や昆布の粉末を合わせて薄めるなどの工夫をしている。それでも1杯20円以内のコストで収まる」(業界関係者)

 ただし、前出の松浦氏によれば、「最近は、昆布にこだわる店、鰹節にこだわる店など、ストロングポイントを打ち出すケースが増えている」そうだ。こうした動きに反応したのか大手チェーンでも、

「削りぶし、昆布を配合して作っています。店ごとでダシをとり、返しと合わせています」(富士そば)

「レシピに従って各店舗でダシを立てています。1日1回だと夕方までに風味が失われてしまうため、午前と午後の2回に分けてダシとりをしている」(ゆで太郎)

 ダシにもかなりの手間とコストをかけているようだが、これで利益は出るのだろうか。

「1日5万食の販売を背景にして、大量仕入れでコストを抑えています」(富士そば)

「特注の製麺機で店舗ごとに作る自社製麺だから安く提供できる」(ゆで太郎)

※SAPIO2014年8月号

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