投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の7月28日~8月1日の動きを振り返りつつ、8月4日~8月8日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。主要企業の決算が本格化する中、好業績銘柄への物色が継続。為替市場での円安の流れも安心感につながり、7月31日には一時15759.66円と約半年ぶりの水準を回復している。週末こそ31日の米国市場でNYダウが300ドルを超える下げとなったほか、米雇用統計を控えて利食いが先行。しかし、日経平均の下げは限定的であり、底堅さが意識されていた。
決算については第1弾のピークが通過し、コンセンサスを上振れる企業が多く、市場は高評価をみせている。これまでは、決算結果を受けて短期資金が集中し、これが日替わり的な物色につながり、次第に手掛けづらくなっていた。しかし、今回は継続的に資金流入が続いていることから、投資家にとって安心感がある市場環境である。とはいえ、業績が良い企業と悪い企業が二極化しており、悪い企業に関してはストップ安まで売り込まれる銘柄も目立つ。アク抜けといった動きではなく、決算を受けて、改めて評価する流れに映る。
そのため、ザラバ決算銘柄へも先回り的な動きはしづらく、発表直後の乱高下の動きはそれ程目立たない。結果を見極めてから改めて参戦しても間に合う状況であろう。さらに、今週はコロプラ<3668>が急騰。決算では上方修正しているが、内容は市場コンセンサスの範囲内であった。これまでなら、材料出尽くしになるかに思えたが、反対に評価が強まる状況をみると、個人の需給は相当良好である。
今週も主要企業の決算が続くが、トヨタ<7203>、ソフトバンク<9984>辺りの動向が、今後の方向性を映しそうである。そのほか、7、8日には日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合を開き、会合後に黒田総裁が会見する。現状維持であろうが、決算が本格化する中では嫌気されることはないだろう。反対に、ポジティブ材料には敏感に反応しそうである。そのほか、7日にJPX日経400の採用銘柄の入れ替えが発表される。改めて高ROE銘柄への関心が集まりそうである。