ライフ

もうひとつのフードアレルギー「肥満にも関連がある」と医師

 食物によるアレルギーといえば、食後すぐにかゆみやむくみ、じんましんなどの症状が表れる「即時型アレルギー」が一般的だが、実はもうひとつのフードアレルギーがあるという。食べて数時間、場合によっては数日後にようやく症状が表れてくる「遅延型アレルギー」がそれだ。

 この遅延型アレルギーの検査は、特定の病院以外にも、アメリカの検査機関の日本代理店のホームページを通じ、自宅に居ながら自分で申し込むことができる。

 申し込み数日後に検査キットが送られてきて、指先から採取した血液を専用の紙に吸収させ、返送する。そして2週間ほどで、検査結果がアメリカから送られてくるというシステムだ。

 本誌の記者2人も、実際にこの検査を受けてみた。

 A記者は、2人の子持ちで40才。5才の長女は軽いアトピー性皮膚炎を患っている。生後8か月の次女は、ヨーグルトを食べて全身が真っ赤になり、救急搬送された経験があり、もしかしたら、自分がなんらかのアレルギーを持っていて、その体質を子供たちに遺伝させてしまったのではないかと心配していた。

 55才のB記者は、自身にアレルギー症状が出た自覚は皆無。花粉症もないし、成人した2人の娘もアレルギー症状はない。これまで受けた健康診断でも異常はなかったので、今回も余裕綽々で検査を受けた。ところが!

 まずA記者。レベル7のうち、中程度のレベル3にややかかる反応が、キウイと昆布に関してあっただけで、あとはほとんどがセーフ。この結果を受けて、ナグモクリニック東京のアンチエイジング・機能性医学外来の医長・斎藤糧三さんからも「10人に1人いるかどうかの健康体」とお墨付きをもらった。

 今後、食べ物を制限する必要はないが、母乳をあげるときだけは、子供がアレルギー反応を持つ卵と牛乳の摂取を避けたほうがよいとアドバイスされた。

 そしてB記者。予想に反して、レベル5超えがズラリ! 製パン用イースト、バナナ、パイナップル、コーヒー、カレーパウダーなど21品目。レベル3超えが、もやし、ブロッコリーなど8品目に及んだ。

 だが、「遅延型アレルギーを持つ日本人の典型的なケースとは違う」と斎藤さん。

「日本人にアレルギー反応が出やすいのは乳製品や卵。Bさんが反応した食品は、ひょっとして好物ばかりでは?」(斎藤さん)

 確かに、コーヒーは1日数杯ガブ飲みで、カレーは大好物。ブロッコリーもバナナも欠かした日はない。ヨーグルトも健康にいいからと積極的に食べていた。

 慢性的な疲労や肩こりは仕事のせいで、下痢は大好きなビールの飲みすぎかなと思っていた。

「同じ食材ばかり摂取して、なおかつ腸内環境のバランスが崩れているため、腸のバリアが損傷してアレルギー反応が強く出ている可能性が高いですね」

 実は、アレルギーの原因となるIgG抗体が体内に存在するのは30~40日程度。過去、この期間に食べすぎていた食品が反応し、腸内環境が悪いため未消化のものが吸収され、IgG抗体ができたと考えられるのだ。

 また、1日数回、便通がある人や、特定の食物を食べてすぐに便通が起きたり下痢になる人は、その食物のアレルギー反応が陽性だと考えたほうがよい、という。

「そういえば、好物のバナナジュースやヨーグルトを食べた後に、下痢しているかも」とB記者は納得。好物には罠があった、というわけだ。

 また、斎藤さんによると、この検査を受けたダイエット外来の患者のうち8割にアレルギー反応が見られ、遅延型アレルギーと診断されたという。つまり、このフードアレルギーは肥満にも関連があると推測されるというのだ。体に良さそうだと思って食べたもので太るなんて、本末転倒でなんともショック…。

※女性セブン2014年8月14号

関連記事

トピックス

出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる稲垣吾郎
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演、稲垣吾郎インタビュー「これまでの舞台とは景色が違いました」 
女性セブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
人気格闘技イベント「Breaking Down」に出場した格闘家のキム・ジェフン容疑者(35)が関税法違反などの疑いで逮捕、送検されていた(本人SNSより)
《3.5キロの“金メダル”密輸》全身タトゥーの巨漢…“元ヤクザ格闘家”キムジェフン容疑者の意外な素顔、犯行2か月前には〈娘のために一生懸命生きないと〉投稿も
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン