国際情報

中国の期限切れ腐肉 相手が日本人なら食べさせたいとの感覚

 品質保持期限を過ぎた鶏肉製品やカビの生えたステーキなどを出荷していた中国・上海の米系食品加工会社「上海福喜食品」が、日本マクドナルドとファミリーマートに鶏肉ナゲットなどを納入していた問題は、日本の「食の安全」を大きく揺るがしている。

 今回の事件で、上海のテレビ局の映像には「(期限切れの肉を)食べても死なない」と言い放つ従業員の姿が収められていた。相手が日本人ならば「悪い物を食べさせていい」という感覚が、彼らの中にあったのではないか。

 さらにタチが悪いことに、中国では食品の安全を監視するはずの行政が、そうした不正に荷担しているのである。

 中国在住のジャーナリスト、西谷格氏は昨年5月、キツネ肉を羊肉と偽って販売された肉が、中国のチェーン系のしゃぶしゃぶ料理店に出回った問題について取材したところ、思わぬ目に遭ったという。

「キツネ肉を販売した疑いのある河南省の加工工場に話を聞こうとしたところ、警察を呼ばれ、パトカーでホテルの一室に連行されました。

 その後、公安局を名乗る警官をはじめ7人もの関係者から取り調べを受け、『記者証もなく取材するのは違法行為だと知らなかったのか』など矢継ぎ早に聞かれ、答えあぐねると『すぐに答えろ!』と恫喝されました。

 取り調べは深夜2時まで続き、翌日調書にサインと押印の上、ようやく解放されました」

 中国にとって不都合な真実は行政ぐるみで隠すということだ。

※SAPIO2014年9月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン