必要な食材だけを底値買いし、さっそうとスーパーをあとにするのがチェリーピッカーと呼ばれる買い物の達人。おいしいとこどりをする人のことで、スーパーなどの小売業界では「特注品しか買わない客」のことを指す。では、いったい普通の主婦の買い物とどこが違うのか?
自身の節約生活をつづった漫画エッセイ『びっくり節約生活! 一家6人+ワン! 月7万円』(二見書房)を出版した大庭聡恵さん(48才)に聞いた。
「以前はごく一般的な暮らしでした」という彼女だが、住宅ローンの早期完済を目標に始めた節約が楽しくなり、「なくても済むもの」をどんどん排除していった結果、ガス、携帯、冷暖房、車、冷蔵庫がない暮らしになっていった。
「調理はホットプレートやフライヤー、入浴は湯船に水を張り、ヒーターでお湯を沸かせば問題なし。高いプロパンガス代がなくなり、固定費が大きく削れました」(大庭さん、以下同)
電気の契約も30Aに落とし、電気代は月4000円程度という。生活費は食費、電話、電気、上下水道、固定資産税、学費をすべて合わせても月7万円。住宅ローンを返済した今は、子供たちの教育費を貯めようと節約に励む毎日だ。
底値買いテクはそうした徹底したコストカットから生まれた。
「わが家が底値買いできる理由は、冷蔵庫にあります。実は3年前から電気コンセントを抜き、調味料やキッチンツールなどをしまう“収納”として使っています。野菜や卵は数日なら常温でも保存できるし、生鮮品は買ってきてすぐ調理。近くにあるスーパーを“冷蔵庫”と考えて生活しています。
食材を必要以上に買ってしまうと保存できないため、無駄買いをする発想が生まれないんです。買い物は毎日行きますが、家で冷蔵保存ができないので、『今日か明日、絶対に食べきれるか?』と自問自答。1食か、せいぜい2食分までしか買いません! よく買うのは練り物、卵、たまに肉。豆は日持ちするのでストック買いしています」
※女性セブン2014年8月21日・28日合併号