確かに、世界1000万台といっても、国内での販売は振るわない。ゲーム専門誌の『ファミ通』によれば、PS4の国内販売は8月初旬時点で64万台足らずに止まっている。
今回、バンダイナムコゲームスがようやくPS4参入を表明したり、サプライズとしてスクウェア・エニックスが『ドラゴンクエスト』シリーズの新作を来春に発売するとぶち上げたりしたものの、「まだ巻き返しの材料には乏しい」との声は消えない。
「バンダイナムコも新作の発意日を遅らせるなど様子見の状態が続いているし、ドラクエも開発はコーエーテクモゲームスの<ゼルダ無双>や<ワンピース無双>と同じチームで“皆伝扱い”なので、本編のシリーズよりはインパクトに欠ける」(ゲーム業界関係者)
こうしてみると、日本でPS4の勢いを回復させるには、さらにキラーコンテンツとなり得る日本発のソフト発売が不可欠というわけだ。
「ただでさえゲームの開発リソースがスマホに集中する中、盛田さんがどれだけ開発メーカーを口説き落とす営業力をみせるか。盛田家といっても、いまのゲーム業界で創業者(昭夫氏)を知っている人は少ないでしょうし、実力勝負の厳しい舵取りは続くと思います」(前出・安田氏)
発表会では、「SCEJA一丸となってゲーム業界を盛り上げたい」とチームプレーを強調して締めくくった盛田氏。だが、このまま国内のゲーム機市場がしぼんでしまうようなら、ソニー創業のDNAも完全に途絶えてしまいかねない重要な局面を迎えている。
●撮影/山崎力夫