国内

デング熱 再感染すると致死率10~20%のデング出血熱発症も

 9月3日現在、厚生労働省の発表によれば、これまでの感染者は11の都道府県の男女48名にのぼるという。

 最初に感染が確認されたのは8月27日。8月4日ごろから、東京・代々木公園で学園祭に向けて週3回のダンスレッスンをしていた同じ学校のクラスメート3人が発症した。その後、8月21日に『王様のブランチ』(TBS系)のロケで代々木公園を訪れていた、レポーターの青木英李(25才)と紗綾(20才)も感染していたことが明らかになった。

 長崎大学熱帯医学研究所の森田公一所長が説明する。

「デング熱とは、ヒトスジシマカ、ネッタイシマカによって媒介されるデングウイルスに感染して発症する急性熱性疾患です。人から人への感染はありません。症状は高熱、筋肉痛や関節痛、皮膚の発疹などで、風邪やインフルエンザ、風疹などの症状と発症初期はよく似ています。感染してから、つまりウイルスを保有する蚊に刺されてから1週間程度で発症しますが、感染者の約5~8割は発症しないといわれています」

 しかし世界では、デング熱により年間約20万人が死亡しているという報告もある。

「デングウイルスには4つのタイプがあり、初感染のときは軽症例が多いですが、再感染すると“デング出血熱”を引き起こす可能性が高まります。適切に治療しないとその致死率は10~20%ともいわれているんです」(前出・森田氏)

 ヒトスジシマカは小さな水たまりさえあればいくらでも繁殖する。またネッタイシマカはもともと熱帯に生息している蚊だが、この夏の大雨や猛暑などに象徴されるような気候変動で北上しているという話も。

「ヒトスジシマカは人間も動物も吸血しますが、ネッタイシマカは人間の血しか吸わないので、ヒトスジシマカの何倍もウイルスの伝達能力が高いといわれています。このネッタイシマカが日本に侵入するとさらに大きな流行を引き起こします」(前出・森田氏)

 そんな凶悪蚊をいったいどうやって防げばいいのか?

「蚊に刺されないようにすることが最大の予防。身の回りの蚊の発生源、水たまりなどがあればなくし、蚊の忌避剤を持ち歩く。そして、これはデング熱に限らず他のウイルス病すべてにいえることですが、基礎的な体の抵抗力を落とさない生活を心がけましょう。夜更かしや深酒をせず、充分な睡眠と栄養をとることは大事です」(前出・森田氏)

※女性セブン2014年9月18日号

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン