自動車ジャーナリストの井元康一郎氏は「ゴーン氏は2020年ぐらいまではトップに居座るのではないか」と予想する。
「よく日産、ルノーの取締役任期のタイミングでトップ交代するのではないかと言われますが、再任する可能性だって十分にありますし、ゴーン氏は2017年3月期までに世界シェア8%、営業利益率8%を目指す経営目標の<パワー88>を掲げているので、途中で投げ出すことはしないでしょう。
また、実現するかどうかはともかく、日産は2020年までに自動運転技術を導入する方針です。もちろん同年には東京オリンピックもあるので、ゴーン氏にとってはできるだけ長く“延命”したいはずです」
だが、前出の業界関係者はこんな辛辣なコメントを残した。
「ゴーン氏は自分の権力基盤を守ることに意識が向きすぎて、次世代を担えるような人材育成をしてこなかった。換言すれば、自分の地位を脅かすほどの優秀な人材は初めから置いていないということ。
このままゴーン氏が続投すればするほど、日産のパフォーマンスが落ちることにならなければいいが……」
カリスマ経営者の君臨する企業が陥りがちな“人財難”の苦悩。それは日本企業もグローバル企業も関係ないようだ。