ビジネス

経団連の政治献金「最低50億、中期的に100億円要求を」の声

 9月9日、大企業を中心に約1600社にのぼる加盟企業を抱える日本経団連本部が、5年ぶりに自民党への献金呼びかけを再開することを決めた。では、経団連は自民党にいくら出すのか。

 今回の献金再開について、経団連事務局は、「目標額は設定していない」と説明するが、自民党側の受け止め方は違う。自民党事務局幹部の1人が語る。

「小泉政権時代に献金再開したとき、経団連側は目安として会員の各企業に自民党本部への献金額を『経団連会費と同額程度にする』と内々の基準をつくった。

 その基準なら党本部には年間50億円程度の献金が入るはずだったが、実際には20億~30億円程度しか集まらなかった。

 今回、経団連側は、ある程度強制力を持つやり方を考えるといっており、献金の最低ラインは会費同額相当の約50億円。党幹部からは、財界はアベノミクスで儲かっているのだから、中期的には2倍の100億円くらいまで献金を増やすよう要求すべきだという意見がある」

 経団連の会費額は資本金など企業規模に応じて細かく決められており、会費収入は約51億円。現在の自民党への企業献金は約13億円(2012年)まで落ち込んでいる。

 安倍首相が7月の人事で内閣官房参与に起用した中村芳夫氏(前経団連事務総長)は、就任直前の時事通信のインタビューの中で、こう見通しを語っている。

「御手洗会長時代には政党の政策評価を行ない、経団連会員企業に会費並みの寄付をしようと呼び掛けていた。そのへんまで持っていくことを考えているのではないかとは思う」

 前出の自民党事務局幹部のいう「約50億円」と符合する。

 法人税収は税率1%で約4700億円、法人減税で来年から税率が2%下がれば企業にざっと1兆円の税金が戻されることになる。中小企業の大半は赤字で法人税を納めていないから、恩恵を受けるのはもっぱら経団連加盟の大企業になる。

 経団連の献金再開とは、法人減税で戻ってくる税金を自民党にキックバックすることに他ならない。献金100億円なら減税分の1%が還流することになる。

 しかも経団連は、ご丁寧に来年10月から法人減税とセットで消費税率を10%に上げることまで要求している。自民党はこれを「国民の声」といって増税の口実にするつもりだろう。

※週刊ポスト2014年10月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン