ビジネス

事業で成功したお金持ち 趣味は仕事で自分にも他人にも厳格

 一言でお金持ちといっても様々なタイプの人がいる。たとえば、「事業で成功したお金持ち」。彼らは普段何を考え、どんな行動をしているのか。これまで多くの資産家たちの家計相談を受けてきた「家計の見直し相談センター」の藤川太氏が、実例をもとに紹介する。

 * * *
 自ら会社を立ち上げてビジネスで成功を収めたというのは、何も有名なITベンチャーの創業者だけではありません。全国には一見地味な企業がいくらでもあり、その経営者たちも数十億円レベルの資産を有するお金持ちとなっています。意外に地味な企業は長期にわたり利益を積み重ね、結果的に大きな資産を築いているものです。

 代々の資産を引き継いだタイプのお金持ちとは違い、自ら働くことで資産を殖やしてきたので、「一番の趣味は仕事」という人が少なくありません。それゆえ、性格的には、自分にも他人にも厳しいという人が多いのも特徴といえます。

 子どもの教育にも熱心です。地方の中小企業経営者からよく聞く話ですが、自らが高卒のたたき上げだったため、子どもは何としても大学に行かせたいという思いが強いようです。

 とにかく仕事が第一なので、仕事以外でも合理的、実用的に考える傾向が強い。車も実用第一で、会社のライトバンをそのまま乗ったり、古いクラウンを自家用車にしたりする人も少なくありません。

 だからといってケチというわけではなく、お金は普通に使います。取引先などとの付き合いは接待交際費で落としたりしますが、それでも周囲からは金払いがいいと見られることが多いでしょう。また仕事第一ですから、資産運用などはあまり関心がなく、他人任せにした結果、失敗する人も少なくありません。

 常に頭を悩ませているのは自ら築き上げた資産の相続もさることながら、後継者問題が大きいようです。

 地方で部品メーカーを営むAさんもそのひとりです。高校を卒業後、地元の大手メーカーを経て独立。自分が大学を出ていないこともあり、長男の教育に力を入れ、晴れて超難関の大学に合格。その後、長男は一流企業に就職し、やがて「自分で会社を立ち上げる」といって、父親の会社を継ごうとはしませんでした。Aさんにしてみれば、優秀な跡取りにしようと教育にも力を入れてきたこともあり、長男の行動に困惑してしまったようです。

 このように、後継者問題は特に地方都市の場合、深刻です。東京など都市部に生活基盤のある長男が帰ろうとせず、娘婿に継がせたというケースは少なくありません。なかには自分の子どもが誰も跡を継がない例もあります。それほど事業の継承問題は難しいものなのです。

※マネーポスト2014年秋号

関連キーワード

関連記事

トピックス

公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン