そこで筆者は「他大学のプレスリリースでは、学部名は載せている。なぜ貴法人だけ載せていないのか?」と聞いたところ、「本学の公表基準には『所属、役職段階等の被処分者の属性に関する情報を、個人が識別されない内容のものとすることを基本として公表する』と定められているからです」という。
要するに、特殊な隠蔽制度がまかり通っているというわけだ。日本の大学医療のトップである東大が、情報開示においては最も閉鎖的な大学といえよう。
琉球大は「本件開示範囲について不服がある場合には(中略)異議申立をすることができます」というのみ。秋田大は、無回答だった。
医師がすべて清廉潔白であるべきと言うつもりはない。しかし、国公立の病院で税金を得て患者を診る以上、規律違反は厳しく見咎められるべきであるし、また大学側はそれを国民に広く開示する義務を持つ。にもかかわらずこの体たらく。医師界の闇は深い。
※SAPIO2014年11月号