日替わりの総菜は人気。厚揚げの煮物(手前)と味付豚足
昭和8年の創業で、今は亡きご主人と2代目を引き継ぎ、現在の建物になった昭和45年に、角打ちを始めた。
「天井が突き抜けるくらいの明るい笑い声が絶えない楽しい店だったのよ。昭和50年頃かなあ、角打ちを担当してくれていた住み込みの女性がお嫁に行っちゃってね。おめでたいことなんだけど手が足りなくなって、角打ちをやめたの。でも、息子が継いでくれたし、あの楽しい時代が恋しいし、笑い声が聞きたくなって平成13年にまた始めたんです」(美佐子さん)
再開直後から通うレジェンドもいれば、まだ今年から、というルーキーまで、常連さんの職業や年齢はばらばら。
「でも、このところ、若い世代が増えてきた気がします」と、亘さん。
「当時幼稚園生だった娘が、ちょうどこの店の前にある簀子(すのこ)公園で遊びたいというので一緒に来たんです。そこで、あれっ、この酒屋さんて飲めるんだと気がついて。以来、通い続けて3年です。いいお友達がたくさんできたし、楽しい時間が過ごせているし、もう、娘に大感謝ですよ」(30代、建設業)
そんな話をしてくれるコミック世代の20代、30代の姿も普通に多く見かけられる。
ここはまさに“こちら中央区簀子公園前角打ち処”なのだ。
「皆さん、飲みながらしゃべって楽しもうというお客さんが多いです。私も母もそういう雰囲気は大歓迎。母よりはおとなしいですけど、私も話をするのは好きなんです」(亘さん)
話好き常連客の潤滑油になっているのが、タカラ焼酎ハイボール。
「いつも飲んでる酒はこれ。店の客と同じで、あたりがいい。そして何より、九州の男として言わせてもらうなら、酒は甘いのはダメ。その点これは甘くないところがいい。めちゃめちゃ好(す)いとうと(笑い)」(50代、自営業)